
帯状疱疹はともかくとして、神経痛には疑問符がつきますね。
Stephanie Mathieson, et al.
Trial of Pregabalin for Acute and Chronic Sciatica
N Engl J Med 2017; 376:1111-1120
背景:
坐骨神経痛は障害をもたらしうる症候であり、薬物治療のエビデンスは限られている。プレガバリンは、一部の神経障害性疼痛に有効とされている。本研究では、プレガバリンによって坐骨神経痛の強さが減少するかどうか調べた。
方法:
坐骨神経痛がある患者を対象に、プレガバリンのランダム化二重盲検プラセボ対照試験を実施した。患者を、最長8週間プレガバリンを投与する群と、プラセボを投与する群にランダムに割り付けた。プレガバリンの開始用量は150mg/日で、その後最大600mg/日まで漸増調整した。プライマリアウトカムは、8週時点の10ポイントスケール下肢痛強度スコア(痛みなしが0点、最大の痛みが10点)とした。この強度スコアは52 週の時点でも評価した。セカンダリアウトカムは試験期間中(1年間)の障害の程度、腰痛の強さ、QOLなどとした。
結果:
209人をランダム化し、108人がプレガバリン群、101人がプラセボ群に割り付けられた。ランダム化後、プレガバリン群の2例が解析から除外された。8週時点で、非補正下肢痛強度スコアの平均は、プレガバリン群3.7、プラセボ群3.1だった(補正差平均0.5、95%信頼区間-0.2~1.2、P=0.19)。52週時点でも、プレガバリン群3.4、プラセボ群3.0と有意差はなかった(補正差平均0.3、95%信頼区間-0.5~1.0、P=0.46)。セカンダリアウトカムについても群間差は観察されなかった。有害事象はプレガバリン群で227件、プラセボ群で124件報告された(プレガバリンによるめまいが多かった)。
結論:
プラセボと比較して、8週間のプレガバリン投与は坐骨神経痛に関連する下肢痛を軽減させず、その他の評価項目にも有意な改善は観察されなかった。有害事象はプレガバリン群のほうがプラセボ群より有意に多かった。
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