サルコイドーシス診断におけるクライオバイオプシーの有用性

サルコイドーシス診断におけるクライオバイオプシーの有用性_e0156318_9551539.jpg やはり気胸の頻度が高いですね。

Aragaki-Nakahodo AA, et al.
The complimentary role of transbronchial lung cryobiopsy and endobronchial ultrasound fine needle aspiration in the diagnosis of sarcoidosis
Respir Med. 2017 Oct;131:65-69. doi:

目的:
 経気管支的肺クライオバイオプシー(TBLC)は、いろいろな間質性肺疾患(ILD)に有用とされる新しい手技である。非選択な集団に対して、TBLCをサルコイドーシスの診断に用いる有用性は不透明であり、気管支内超音波下針吸引(EBUS-FNA)の助けになるかもしれない。

方法:
 単施設教育病院において、、3年の間にサルコイドーシスを疑われた36人でEBUS-FNAおよびTBLCの診断精度を後ろ向きに調べた。胸部CTにおける放射線学的特徴の存在や分布と得られたEBUS-FNA・TBLC検体を比較検証した。合併症についても記録された。

結果:
 われわれのコホートの診断率は80.6%だった(36人中29人に病理学的な確定診断がついた)。これらのうち、18人はサルコイドーシスが疑われ、サルコイドーシス診断を示唆する気管支鏡検体が得られたものであった。病理診断がサルコイドーシスとついたものでは、EBUS-FNAあるいはTBLCの診断率はそれぞれ66.7%ずつだった。ただし、両者を組み合わせるとその精度は100%になった。気胸が11.1%に起こった。

結論: 
 TBLCはサルコイドーシスの診断において安全で、既存手技の手助けになりうる。


by otowelt | 2017-10-13 00:35 | 気管支鏡

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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