咽頭痛に対する単回低用量のステロイドは疼痛を軽減する
2017年 11月 02日

Behnam Sadeghirad, et al.
Corticosteroids for treatment of sore throat: systematic review and meta-analysis of randomised trials
BMJ 2017; 358 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.j3887
目的:
咽頭痛の治療に対してステロイドを用いることの利益と有害性を調べること。
デザイン:
ランダム化比較試験のシステマティックレビューおよびメタアナリシス。
データ:
Medline、Embase、CochraneCENTRALの電子データベースで2017年5月までのランダム化比較試験データを抽出。
研究:
5歳以上の救急部を受診した急性扁桃炎、咽頭炎、咽頭痛の患者に対して、通常ケアにステロイドを加えたランダム化比較試験を対象とした。言語や出版ステータスは問わなかった。
結果:
10研究1426人が対象となった。単回の低用量ステロイドを投与された患者(もっともよくみられたのは経口デキサメタゾンを最大10mg使用)は、24時間後(相対リスク2.2, 95%信頼区間1.2 to 4.3; リスク差12.4%)、48時間後(相対リスク1.5, 95%信頼区間1.3 to 1.8; リスク差18.3%)の疼痛緩和が得られやすかった。

発症から疼痛緩和までの平均時間は、ステロイド投与によって4.8時間早くなった(95%信頼区間−1.9 to −7.8)。発症から疼痛の完全寛解までの平均時間は、ステロイド投与によって11.1時間早くなった(95%信頼区間−0.4 to −21.8)。24時間時点での疼痛緩和のVASスコア減少は、ステロイド投与群で大きかった(平均差1.3, 95%信頼区間0.7 to 1.9)。10研究のうち9つが副作用に関して報告していた。6研究は副作用について触れられておらず、3研究はわずかだが副作用に触れられていた。その多くが疾患の合併症であり、両群とも同等だった。
結論:
単回低用量のステロイド投与は、重篤な有害事象を増やすことなく咽頭痛の軽減に有用である。
by otowelt
| 2017-11-02 00:40
| 内科一般