LAMの診断にTBLBは有用かつ安全
2017年 11月 08日

Koba T, et al.
Efficacy and safety of transbronchial lung biopsy for the diagnosis of lymphangioleiomyomatosis: A report of 24 consecutive patients.
Respirology, DOI: 10.1111/resp.13190
背景および目的:
リンパ脈管筋腫症(LAM)は、出産適齢期の女性に起こるびまん性嚢胞性肺疾患である。LAMは、典型的胸部HRCT所見に加えて、乳び胸、血管脂肪腫、結節性硬化症複合体、血清VEGF-D上昇といった疾患特徴を少なくとも1つ有する場合に診断される。しかしながら、こういった特徴を有さない患者では、確定診断に際して組織学的な同定が必要となる。外科的肺生検よりも侵襲性の低い経気管支肺生検(TBLB)が有用かどうかはまだよくわかっていない。われわれは、LAMの診断におけるTBLBの有用性と安全性を後ろ向きに調べた。
方法:
1991年1月から2016年8月までに、連続131人のLAM患者が同定された。TBLBはそのうち24人に実施された。われわれは、後ろ向きに当該コホートにおいて診断能と安全性を調べた。
結果:
24人全例女性であり、年齢中央値は42歳だった。胸部HRCTでは多発性の類円形薄壁嚢胞が肺にびまん性にみられた。血清VEGF-D中央値は2109pg/mLだった。LAMの病理学的所見は2人の独立した病理医の診断によって17人(70.8%)に同定された。%DLCOは、TBLBが陰性だったLAM患者よりもTBLBで診断されたLAM患者17人で有意に低かった(p=0.046)。TBLBによる気胸や出血などの重篤な有害事象は報告されなかった。
結論:
TBLBはLAMの病理診断において安全かつ有用な手法である。
by otowelt
| 2017-11-08 00:02
| びまん性肺疾患