
Goto A, et al
Clinical impact of minocycline on afatinib-related rash in patients with non-small cell lung cancer harboring epidermal growth factor receptor mutations
Respiratory Investigation, DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.resinv.2017.11.009
背景:
アファチニブ治療において皮膚障害のマネジメントが重要であるが、テトラサイクリン系抗菌薬の役割はよく分かっていない。
方法:
われわれは、EGFR遺伝子陽性非小細胞肺癌の治療にアファチニブが用いられた患者の診療録を後ろ向きに調べた(2014年10月~2016年11月)。アファチニブ関連皮膚障害のマネジメントにテトラサイクリン系抗菌薬が用いられた25人が登録された。
結果:
登録患者にはミノサイクリンが経口投与された。アファチニブ関連障害である皮疹、下痢、爪周囲炎はそれぞれ92%、92%、40%にみられた。下痢の24%、爪周囲炎の4%の患者はグレード3以上であったが、重篤な症例は観察されなかった。アファチニブ減量を余儀なくされた18人のうち、14人(78%)が下痢、3人(17%)が爪周囲炎、1人(6%)が胃炎に起因するものだった。皮疹で減量を強いられた患者はいなかった。ミノサイクリン治療を開始したとき、21人(84%)がグレード1以下、3人がグレード2以上の皮疹だった。アファチニブの効果は18人(72%)にみられ、投与期間中央値は501日だった。ミノサイクリンによる副作用はグレード1の悪心が1人にみられたのみだった。
結論:
大部分が、グレード2の皮疹到達前にミノサイクリンを開始した患者だった。アファチニブ関連皮膚障害の重症度は過去の報告よりも低かった。経口テトラサイクリン系抗菌薬はとりわけ早期に開始すると医学的利益が大きい。