フルーツやトマトの摂取は肺機能低下を抑制する
2018年 01月 22日

Vanessa Garcia-Larsen, et al.
Dietary antioxidants and 10-year lung function decline in adults from the ECRHS survey
European Respiratory Journal 2017 50: 1602286; DOI: 10.1183/13993003.02286-2016
背景:
ヨーロッパの3か国で成人における肺機能減少と食餌性抗酸化物質の関連を10年にわたり調べた。
方法:
2002年、3か国が参加したECRHSコホートにおいて成人にスパイロメトリーを実施し、10年後再検した。食事についてはベースラインの質問票でデータを収集した。その後の肺機能の低下と食事の関連性を多変量解析で調べた。多重性の制御のため、Simes法が用いられた。
結果:
680人(ベースライン平均年齢43.8±6.6歳)が登録された。最大限補正したモデルでは、フルーツの摂取は1秒量低下抑制と有意に関連していた(3.5mL/年、95%信頼区間0.04-6.92)。しかし、この関連は統計学的にボーダーライン上であった。同様に、リンゴ、バナナ、トマト、ハーブティー、ビタミンCも有意に努力性肺活量減少抑制に寄与していた。このうち、Simes法で努力性肺活量減少抑制に有意に寄与していたのはトマトのみであった。既喫煙者のサブグループ解析では、リンゴ、バナナ、トマトのすべてが努力性肺活量の減少抑制に寄与していた。
結論:
成人においてフルーツやトマトを摂取することは、特に既喫煙者では肺機能低下を抑制するかもしれない。
by otowelt
| 2018-01-22 00:17
| 呼吸器その他