SSc-ILDにミコフェノール酸モフェチルを!

 有益な薬剤があるのに保険適用がない、というジレンマはどの疾患でもあります。 その理由の1つに、外国人のデータが日本人にあてがえないという愚かな理論です。

Takahiro Ueda, et al.
Mycophenolate mofetil as a therapeutic agent for interstitial lung diseases in systemic sclerosis
Respiratory Investigation, DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.resinv.2017.11.004


概要:
 全身性強皮症(SSc)は多臓器をおかす難治性の線維性疾患である。約40%の患者が間質性肺疾患(ILD)を有している。SScとILDの患者の3分の1、すなわち全体の15%の患者が肺疾患を罹患しており、ゆるやかに進行しステロイドやその他の治療に抵抗性を示す。
 アメリカで実施された、SSc-ILDに対するシクロホスファミドのランダム化比較試験では、有意だがわずかな肺機能・呼吸困難感・皮膚硬化・QOLに対する効果しか認められなかった。しかしながら、ほとんどの有効性は経口シクロホスファミドを中止してから約1年で薄れて行った。シクロホスファミドとミコフェノール酸モフェチル(MMF)がSSc-ILD患者142人に投与された。これによれば、MMF2年あるいはシクロホスファミド1年のSSc-ILD治療は、いずれも肺機能を2年にわたり改善させた。
 MMFの投与を受けた患者の方が、シクロホスファミドを受けた患者よりも白血球減少・血小板減少が少なかった。
 MMFは現在日本でSSc-ILDに対して保険適用がない。MMFもシクロホスファミドも有効ではあるが、忍容性の観点から、SScにMMFが有用であることは明白である。承認されれば、MMFがSSc-ILDの初期治療として推奨されよう。
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(症例対照研究:文献より引用)
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(レビュー:文献より引用)


by otowelt | 2018-01-26 00:11 | びまん性肺疾患

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