糖尿病合併結核にはメトホルミン!

e0156318_9552565.jpg 個人的にはメトホルミンから使っているので、なんらプラクティスに変化はなさそうです。とりあえず、初診時高血糖の結核患者さんでは、HbA1cのパンドラの箱をあける最初の瞬間がドキドキします。13%とか15%とかザラなので・・・。

Nicholas R Degner, et al.
Metformin Use Reverses the Increased Mortality Associated With Diabetes Mellitus During Tuberculosis Treatment
Clinical Infectious Diseases, Volume 66, Issue 2, 6 January 2018, Pages 198–205


背景:
 2型糖尿病は世界的な結核関連死亡の減少に歯止めをかけている。過去の臨床研究では結核治療アウトカムに対する糖尿病の影響に対する潜在的交絡因子を完全に評価することはできなかった。糖尿病治療薬であるメトホルミンはオートファジーを促進し、抗結核効果に加えて宿主に対する役割も考慮されている。

方法:
 われわれは13歳以上の培養で確定診断された薬剤感受性結核に対して後ろ向きコホート研究をおこなった。われわれは、結核治療中の糖尿病が死亡にあたえる影響および2ヶ月時の喀痰培養陰性化を調べた。また、メトホルミンの使用が結核治療中に与える影響も評価した。

結果:
 結核治療が行われた2416人について、年齢、性別、CKD、癌、C型肝炎、喫煙歴、空洞性病変、治療アドヒアランスで補正すると、糖尿病のない患者と比べた糖尿病患者の結核治療中の死亡はオッズ比1.91倍だった(95%信頼区間1.51-2.40)。また、2ヶ月時点培養陽性が続くオッズ比は1.72倍だった(95%信頼区間1.51-2.40)。糖尿病におけるメトホルミンの使用は、結核治療中の死亡リスクを有意に減らした(ハザード比0.56、95%信頼区間0.39-0.82)。またメトホルミン使用者は糖尿病のない結核患者と同等の死亡率だった。
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結論:
 この研究では、糖尿病は結核治療アウトカムに悪影響を与えることが分かった。また、メトホルミンの使用と結核治療の死亡率減少には関連がみられ、メトホルミンのオートファジーが関連している可能性がある。

※メトホルミンの抗結核作用:
 メトホルミンは、AMP活性化プロテインキナーゼを活性化させる。同酵素は、AMPで活性化されるタンパクリン酸化酵素であり、低血糖、低酸素、虚血、発熱などの細胞内ATPサプライが枯渇する状況において、AMP増加に反応して活性化される。この活性化がオートファジーを誘導する(Cell. 2003 Nov 26;115(5):577-90.、Mol Cell. 2008 Apr 25;30(2):214-26.、Nat Cell Biol 2011; 13:132–41.、Nat Cell Biol 2011; 13:1016–23.)。



by otowelt | 2018-01-30 06:09 | 抗酸菌感染症

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