結核有病率の高い地域では家庭内接触者調査が有効

e0156318_9552565.jpg 調査法で結構な差がでるものですね。

Greg J. Fox, et al.
Household-Contact Investigation for Detection of Tuberculosis in Vietnam
N Engl J Med 2018; 378:221-229


背景:
 積極的な結核症例を発見することは、世界的な結核の制圧のために優先されることがらである。しかし、有病率の高い状況での有効性を示す質の高いエビデンスはない。本研究では、ベトナムにおいて、家庭内接触者調査の有効性を受動的調査と比較評価した。

方法:
 ベトナム国内8省70地区(平均人口が都市部で約50万人、農村部で約10万人の地方行政区)の診療所で、クラスターランダム化比較試験を実施した。それぞれの地区の診療所または病院に勤務する医療従事者を、標準的な受動的調査に加えて家庭内接触者に介入を行う群(介入群)と、受動的調査のみを行う群(コントロール群)のいずれかに割り付けた。介入地区では、喀痰の抗酸菌塗抹検査が陽性であった結核患者の家庭内接触者を、ベースライン・6ヶ月・12か月・24か月時点で来院してもらい、臨床評価と胸部レントゲン写真撮影を行った。家庭内接触者における結核登録症例の2年累積発生率をプライマリアウトカムとした。

結果:
 合計70地区で、塗抹陽性肺結核患者10964人の家庭内接触者25707人を登録した。介入群の36地区において、家庭内接触者は10069人中180人(人口10万人あたり1788人)だったのに対して、コントロール群では 15638人中110人(10万人あたり703人)だった(介入群におけるプライマリアウトカム相対リスク2.5、95%信頼区間2.0~3.2,P<0.001)。介入群の家庭内接触者における塗抹陽性結核の相対リスクは 6.4(95%信頼区間4.5~9.0)だった(P<0.001)。

結論:
 ベトナムのような結核有病率の高い地域では、標準的な受動的調査と家庭内接触者調査の併用は、受動的調査単独と比較して、結核患者の発見における有効性が高い。


by otowelt | 2018-01-24 00:19 | 抗酸菌感染症

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