
Suzuki K, et al.
Clinical significance and epidemiologic analyses of Mycobacterium avium and Mycobacterium intracellulare lung disease from post-marketing surveillance.
Respir Investig. 2018 Jan;56(1):87-93.
背景:
日本において肺非結核性抗酸菌症(NTM)の多くはMACであるが、その2病原菌の臨床的特徴についてはまだよく分かっていない。
方法:
クラリスロマイシンが市場に流通した後の130施設におけるデータを解析した。M. avium感染症患者とM. intracellulare感染症患者を比較した。
結果:
368人の患者を解析したところ、67.4%がM. avium感染症、32.6%がM. intracellulare感染症だった。層別化解析で、両病原菌で性別、疾患タイプ、合併症、既往歴、喫煙歴に差は観察されなかった。しかしながら、M. intracellulare感染症は肺に基礎疾患を有している患者に多かった(p=0.0217)。M. intracellulare感染症の患者は、高齢であるほどその感染率が増えていった(p = 0.0296)。年齢に関連した変化は女性に顕著だった(p = 0.0018)。

中国四国地方および九州地方ではM. intracellulare感染症が多く、M. avium感染症はそれ以外の地方に多かった。

結論:
このサーベイにより、M. avium感染症患者とM. intracellulare感染症の臨床的・疫学的差異が明らかとなった。