メタアナリシス:気胸に対するピッグテールカテーテル治療は有効

メタアナリシス:気胸に対するピッグテールカテーテル治療は有効_e0156318_14441648.jpg 実臨床では、中心静脈カテーテルを挿入することもありますが、気胸治療用のピッグテールカテーテルを製品化していただければベストでしょう。

Su-Huan Chang, et al.
A Systematic Review and Meta-Analysis Comparing Pigtail Catheter and Chest Tube as the Initial Treatment for Pneumothorax
CHEST DOI: https://doi.org/10.1016/j.chest.2018.01.048

背景:
 気胸の適切な初期治療アプローチはいまだ議論の余地がある。このシステマティックレビューおよびメタアナリシスでは、すべてのサブタイプの気胸に対する初期治療アプロートとして、細径ピッグテールカテーテルと太径胸腔ドレーンの有効性を比較した。

方法:
 電子データベースで、気胸に対するピッグテールカテーテルおよび胸腔ドレーンの有効性を比較した2017年10月9日までの観察研究およびランダム化比較試験を検索した。アウトカムとして、治療成功率、再発率、合併症の頻度、ドレナージ期間、在院期間を調べた。

結果:
 11研究(875人)のうち、成功率はピッグテールカテーテルで79.84%、胸腔ドレーンで82.87%だった。リスク比は0.99(95%信頼区間0.93-1.05だった、I2=0%)。ピッグテールカテーテルは、合併症の頻度が低かった(Petoオッズ比0.49、95%信頼区間0.28-0.85、I2=0%)。自然気胸のサブグループでは、ピッグテールカテーテルはドレナージ期間が有意に短く(平均差1.51日、95%信頼区間0.09-2.93)、在院期間が短かった(平均差2.54日、95%信頼区間1.92-3.16、p<0.001)。

結論:
 メタアナリシスによれば、自然気胸ないし続発性気胸の初期治療オプションとしてピッグテールカテーテルが望ましいかもしれない。理想的には、ランダム化比較試験でこれらを比較することが望まれる。


by otowelt | 2018-03-01 00:25 | 呼吸器その他

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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