気流閉塞の過小診断例(1秒率基準を満たさないLLN未満者)は肺炎・心不全・総死亡のリスクが高い

e0156318_1519449.jpg 気流閉塞の基準は、1秒率70%未満というのがCOPDでもっぱら使用されていますが、LLNとの決着はまだついていません。LLNは、正規分布の集団の下限5%の数値と定められています。これは正常健常人でも1秒率が加齢とともに低下する影響を排除する意味合いもあります。

Çolak Y, et al.
Young and middle-aged adults with airflow limitation according to lower limit of normal but not fixed ratio have high morbidity and poor survival: a population-based prospective cohort study.
Eur Respir J. 2018 Feb 15. pii: 1702681. doi: 10.1183/13993003.02681-2017. [Epub ahead of print]


背景:
 気流閉塞(論文では気流制限と記載しているが、当ブログでは気流閉塞に統一)は、高齢者において過剰診断を招き、若年者において過小診断を招く。しかしながら、若年者で潜在的に過小診断されていることが、どのように影響を与えるかはまだよくわかっていない。われわれは、若年者における気流閉塞が予後不良に関連しているのではないかと仮説を立てた。

方法:
 コペンハーゲン一般集団研究コホートから20~100歳の95288人を登録した。気流閉塞のない1秒率70%以上・LLN以上(78779人、83%)、1秒率70%以上・LLN未満(過小診断)(1056人、1%)、1秒率70%未満・LLN以上(過剰診断)(3088人、3%)、気流閉塞のある1秒率70%未満・LLN未満(12365人、13%)に分類された。増悪、肺炎、虚血性心疾患、心不全、総死亡のリスクを調べた。

結果:
 追跡期間中央値6.0年(2日~11年)だった。気流閉塞のない人と比べると、潜在的に過小診断された気流閉塞者は、年齢・性別で補正してもリスクが高かった(肺炎:ハザード比2.7[95%信頼区間1.7-4.5]、心不全:ハザード比2.3[95%信頼区間1.2-4.5]、総死亡:ハザード比:3.1[95%信頼区間2.1-4.6])。

結論:
 1秒率ではなくLLNに基づく気流閉塞がある若年・中年成人は、呼吸器系・心血管系のリスクや死亡リスクが高い。


by otowelt | 2018-03-02 07:19 | 気管支喘息・COPD

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