薬剤性好酸球性肺炎はダプトマイシンによるものが多く、急性・慢性の両病型をとりうる
2018年 03月 16日

・ダプトマイシンによる好酸球性肺炎
Bartal C, et al.
Drug-induced eosinophilic pneumonia: A review of 196 case reports.
Medicine (Baltimore). 2018 Jan;97(4):e9688.
背景および目的:
好酸球性肺炎(EP)は肺浸潤影と好酸球増多を伴う患者の重要な疾患である。EPは慢性経過か否かと薬剤によるものかどうかで分類ができる。1990年以降の症例報告を集め、薬剤に関連するEPならびに急性EP(AEP)と慢性EP(CEP)の差異について調べた。
方法:
電子データベースで薬剤性EPあるいはPIE症候群と診断された報告を抽出した。
結果:
196人の薬剤性EPの患者が同定された。主な原因はダプトマイシンによるEPだった。AEPは若年患者にみられ、性差はなかった。診断時の末梢血好酸球増多はCEPによくみられた(CEP:80%、AEP:20%)。放射線学的な異常はAEP・CEPともに同等だった。EP患者の多くがステロイド治療を受け、CEPでは再発が多くみられていた。
結論:
薬剤性EPはAEP・CEPのいずれの病型もとりうる。両疾患がオーバーラップしていることもあり、同経路の機序が想定される。最も多い薬剤はダプトマイシンだった。
by otowelt
| 2018-03-16 00:49
| びまん性肺疾患