メタアナリシス:COPDに対するロイコトリエン受容体拮抗薬は無効

メタアナリシス:COPDに対するロイコトリエン受容体拮抗薬は無効_e0156318_1633480.jpg 今のところエビデンスはないと考えてよさそうです。

Liu L, et al.
Leukotriene receptor antagonists do not improve lung function decline in COPD: a meta-analysis.
Eur Rev Med Pharmacol Sci. 2018 Feb;22(3):829-834.


目的:
 ロイコトリエン受容体拮抗薬(LTRA)は、抗炎症作用があり、COPDに対しても効果的であると報告されてきた。しかしながら、肺機能の減少を抑制する効果については議論の余地があり、メタアナリシスが必要である。

方法:
 電子データベースでランダム化比較試験を抽出した。

結果:
 ランダム効果モデルの標準化平均差(SMD)・95%信頼区間を算出した。6研究221人のCOPD患者が登録された。COPD患者にLTRAを用いても、1秒量(SMD: 0.28, 95%信頼区間-0.17 to 0.72, p=0.227), 努力性肺活量(SMD: 0.54, 95%信頼区間 -0.10 to 1.18, p=0.597)、1秒率(SMD: 0.18, 95%信頼区間-0.09 to 0.46, p=0.189)は有意な改善はなかった。サブグループ解析においても、短期あるいは長期のLTRA治療は肺機能減少の抑制に何ら影響を与えなかった。

結論:
 このメタアナリシスでは、COPDにおけるLTRAは肺機能減少の抑制に寄与しなかった。しかしながら、大規模なランダム化比較試験が望ましい。


by otowelt | 2018-03-08 00:19 | 気管支喘息・COPD

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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