ATLANTIC試験:サードライン以降におけるデュルバルマブの有効性

e0156318_8124310.jpg このラインでの免疫チェックポイント阻害剤研究をよくぞ立案されたなと思います。

Garassino MC, et al.
Durvalumab as third-line or later treatment for advanced non-small-cell lung cancer (ATLANTIC): an open-label, single-arm, phase 2 study.
Lancet Oncol. 2018 Mar 12. pii: S1470-2045(18)30144-X. doi: 10.1016/S1470-2045(18)30144-X. [Epub ahead of print]


背景:
 免疫チェックポイント阻害薬はEGFRやALKの遺伝子変異がみられない進行非小細胞肺癌(NSCLC)の新しい標準治療であるが、EGFRやALKに変異が診られる場合の臨床的効果は明らかでない。EGFR/ALK変異の状態や腫瘍PD-L1発現によって定義されたNSCLCの3コホートからデュルバルマブ(抗PD-L1抗体)の効果を評価した。

方法:
 ATLANTIC試験は第2相オープンラベルシングルアーム試験で、アジア、ヨーロッパ、北アメリカの139施設で行われた。適格患者は、少なくとも過去にプラチナ併用化学療法(あるいは適応があればTKI)を含む2レジメンで病勢進行となったNSCLC患者で、18歳以上のPS0-1でRECIST判定ができるものを対象とした。混合型小細胞癌例、過去に抗PD-1抗体・PD-L1抗体で治療された場合、過去に免疫治療薬によるグレード3以上の有害事象があったものは除外された。
 コホート1の患者群は腫瘍細胞PD-L1発現が少なくとも25%あるいは25%未満でEGFR遺伝子変異陽性あるいはALK遺伝子転座陽性のNSCLCとした。コホート2,3の患者群はいずれもEGFR遺伝子変異陰性あるいはALK遺伝子転座陰性のNSCLCで、コホート2はPD-L1発現が少なくとも25%あるいは25%未満の患者を含み、コホート3にはPD-L1発現が少なくとも90%の患者が含まれた。2週ごとにデュルバルマブ10m g/kgが12ヶ月まで投与された。12ヶ月完遂後の病勢増悪でも臨床的利益がありそうな患者群は再投与が許可された。
 プライマリエンドポイントは、PD-L1の発現のある(コホート1,2では25%以上、コホート3では90%以上)患者群での奏効割合とした。安全性は少なくともデュルバルマブが1回投与された患者で評価された。

結果:
 2014年2月から2015年12月まで444人の患者が登録されデュルバルマブが投与された。111人がコホート1、265人がコホート2、68人がコホート3に登録された。PD-L1発現が少なくとも25%以上ある患者群で、奏効率はコホート1で74人中9人(12.2%、95%信頼区間5.7-21.8)、コホート2で146人中24人(16.4%、95%信頼区間10.8-23.5)、コホート3では68人中21人(30.9%、95%信頼区間20.2-43.3)だった。グレード3/4の治療関連有害事象は全444人中40人(9%)にみられ、コホート1で5%、コホート2で8 %、コホート3で18%だった。最も頻度の高いグレード3/4の治療関連有害事象は肺臓炎(4人:1%)、γGTP上昇(4人)、下痢(3人)など。最も頻度の高い重大な有害事象は肺臓炎(5人:1%)、倦怠感(3人)、infusion reaction(3人)など。標準治療ガイドラインにより免疫関連有害事象は管理可能だった。

結論:
 進行NSCLCで複数の治療歴のある患者群において、デュルバルマブの臨床的効果や安全性プロファイルは他の抗PD-1/PD-L1抗体と同等だった。本研究の全コホートにおいて奏効が観察され、EGFR/ALK陰性(コホート2,3)のNSCLCの奏効率がEGFR/ALK陽性(コホート1)のNSCLCよりも高かった。腫瘍細胞のPD-L1発現が25%以上みられるEGFR陽性NSCLCに対してデュルバルマブの臨床的効果が期待されるが、EGFRならびにALK陽性非NSCLCでのデュルバルマブの更なる研究が望まれる。


by otowelt | 2018-03-30 00:53 | 肺癌・その他腫瘍

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