DYNAGITO試験:スピオルト®とスピリーバ®のCOPD増悪の比較

e0156318_1633480.jpg TOviTO試験の一部であるDYNAGITO試験の結果がLancet Respiratory Medicineに掲載されました。
 想定する集団は、GOLD重症度分類のBとDが半々くらいです。%1秒量は44%あたりなのでIII期の“コントロールしにくい層”をイメージします。40%の患者さんが吸入ステロイド薬を使われているので、結構増悪頻度が多かったのでしょうね。
 アウトカムイベントはスピオルト®群45.1%、スピリーバ®群44.3%でまず差はないと言ってよいと思うので、論文の結論の書き方には賛成です。ベーリンガーインゲルハイムのプレスリリースはかなりポジティブな記載のようですが。

Peter M A Calverley, et al.
Tiotropium and olodaterol in the prevention of chronic obstructive pulmonary disease exacerbations (DYNAGITO): a double-blind, randomised, parallel-group, active-controlled trial
Lancet Respiratory Medicine, DOI: https://doi.org/10.1016/S2213-2600(18)30102-4


背景:
 長時間作用性気管支拡張薬は、COPD増悪の頻度を減らす目的で推奨されている。しかし、長時間作用性抗コリン薬チオトロピウムと長時間作用性β刺激薬オロダテロールの併用が、チオトロピウム単独と比較して増悪率を減少させるかどうかは分かっていない。

方法:
 52週間の二重盲検ランダム化並行群間試験で、増悪歴のあるCOPD患者が1:1にチオトロピウム/オロダテロール 5/5μgあるいはチオトロピウム5μg1日1回の吸入に割り付けられた。吸入ステロイド薬を処方されている患者は、同薬を継続した。治療内容は患者、研究者にマスクされた上で解析された。プライマリエンドポイントは中等症および重症COPD増悪とした。すべてのランダム化された患者が解析対象となった(プロトコル違反は除外対象)。

結果:
 51ヶ国818施設から9009人の患者がスクリーニングされた。7880人の患者を2015年1月22日~2016年3月7日まで登録した(平均年齢66.4±8.5歳、5626人[71%]が男性、平均%1秒量は44.5±27.7%)。日本からも461人が登録された。合計3939人が合剤群、3941人がチオトロピウム群に割り付けられた。
 中等症および重症の増悪は、合剤群の方が低かったが(率比0.93, 99%信頼区間0.85–1.02; p=0.0498、95%信頼区間0.87–1.00)、1%有意水準は満たさなかった。全身性ステロイドを要する中等症および重症の増悪の発現率は20%低下した(p=0.0068)。また、全身性ステロイドと抗菌薬の併用治療を要する増悪の発現率は9%低下した(p=0.0447)。
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(文献より引用)

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(文献より引用)

 有害事象を報告した患者は両群同等だった。

結論:
 チオトロピウムとオロダテロールの併用は、チオトロピウム単独と比べて想定よりも増悪率を減らさなかった。


by otowelt | 2018-04-12 00:00 | 気管支喘息・COPD

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