マイコプラズマ肺炎と胸部HRCTのaffected areaの関連

e0156318_10514999.jpg 当院は、びまん性肺疾患でないと胸部HRCTデータは残りませんので、肺炎球菌性肺炎で胸部HRCTデータが得られるというのはちょっと羨ましい気もします。
 小葉中心性粒状影の頻度に興味があったのですが、論文中にはマイコプラズマ肺炎97.6%、肺炎球菌性肺炎17.6%と記載されています。気管支壁の肥厚はマイコプラズマで結構多いという印象ですが、この論文では26.2%の頻度でした。

Takeshi Saraya, et al.
Correlation between clinical features, high-resolution computed tomography findings, and a visual scoring system in patients with pneumonia due to Mycoplasma pneumoniae
Respiratory Investigation, DOI: https://doi.org/10.1016/j.resinv.2018.03.001


背景:
 Mycoplasma pneumoniae (MP) は、市中肺炎の主たる病原菌である。われわれは、特に低酸素血症や胸部HRCTで得られたtotal affected areaに関連した臨床的特徴を調べた。

方法:
 2006年1月から2013年11月までの、杏林大学病院で15歳を超えたMP肺炎患者(PPLO培地あるいはPAタイターの診断)の診療録を参照した。これを2013年1月から2014年9月までに同定された肺炎球菌性肺炎の患者と比較した。

結果:
 MP肺炎65人、肺炎球菌性肺炎32人が後ろ向きに同定された。胸部HRCTデータはそれぞれ42人、32人から得られた。そのうち、低酸素血症(SpO2が94%未満あるいは酸素療法を要する状態)の存在は、肺炎球菌性肺炎の方がMP肺炎よりも多かった(11.9% vs 41.2%)。胸部HRCTにおけるtotal visual scoreは両群ともに低酸素血症と有意に相関していたが、低酸素血症のある患者ではMP肺炎の方がスコアが有意に高かった。MP肺炎のtotal visual scoreと血清炎症性バイオマーカー(CRP[r=0.43, p=0.025]、LDH[r=0.466, p=0.016])に相関がみられた。両群ともに、中葉および下葉の個々のスコアは上葉と比べて有意に高く、葉優位性の存在が示唆された。

結論:
 低酸素血症のある肺炎患者において、肺のHRCTにおけるtotal affected areaはMP肺炎の方が肺炎球菌性肺炎よりもよくみられることがわかった。また、低酸素血症と血清炎症性バイオマーカーには相関がみられた。


by otowelt | 2018-05-01 00:18 | 感染症全般

<< リウマチ性疾患に対するST合剤... 実臨床におけるネーザルハイフロ... >>