ベッドサイド処置時の1%リドカイン注入前同液表面使用は疼痛軽減に有効
2018年 05月 15日

Bhakti K. Patel, et al.
Comparison of Two Lidocaine Administration Techniques on Perceived Pain from Bedside Procedures: A Randomized Clinical Trial
CHEST, DOI: https://doi.org/10.1016/j.chest.2018.04.018
背景:
リドカインは処置時の疼痛軽減に用いられるが、注入によって逆に痛みを誘発してしまうことがある。疼痛の知覚は、非薬物的な刺激、たとえば温度やタッチングなどで疼痛閾値を上げることで修飾可能である。われわれは、リドカイン注入前に皮膚に滴下することで、皮膚表面を冷却あるいは接触し、疼痛知覚を軽減することができるのではないかと考えた。
方法:
われわれは、2011年2月から2015年3月までに処置を必要として紹介された患者にランダム化比較試験を実施した。全患者は、1%のリドカイン注射を受けた。介入群に割り付けられた患者は、リドカイン注入前に1~2mLのリドカイン皮膚散布を受けた。この研究の介入について患者には盲検化された。プライマリアウトカムは処置による疼痛の程度とし、VASの平均を用いた。
結果:
481人の患者がランダム化された。プライマリアウトカムである疼痛は介入群のほうがVASスコアが良好であった(16.6±24.8mm vs 12.2±19.4mm、p=0.03)。サブグループ解析において、疼痛スコアはPICC挿入患者において主に改善がみられた(18.8±25.6mm vs 12.2±18.2mm; p=0.02)。
結論:
総じてベッドサイドの処置で疼痛の報告は少ないものの、リドカインを皮膚表面に事前に用いることでさらなる疼痛の軽減が期待される。
by otowelt
| 2018-05-15 00:45
| 内科一般