
Erika Mohr, et al.
Delamanid for Rifampicin–Resistant Tuberculosis: A Retrospective Study from South Africa
European Respiratory Journal 2018; DOI: 10.1183/13993003.00017-2018
背景:
とりわけ、HIV陽性の患者においてデラマニドの投与経験は限られている。われわれは、南アフリカにおいてデラマニドの早期の効果と安全性を調べた。
方法:
これは、2015年11月から2017年8月までにデラマニド含有レジメンを投与された患者の後ろ向きコホート研究である。12ヶ月時の中間解析において、2ヶ月および6ヶ月までの喀痰陰性化率、重篤な有害事象、QT時間が報告された。
結果:
103人の患者がデラマニドを開始した。79人(77%)がHIV陽性だった。主なデラマニド適応は、セカンドライン抗結核薬に忍容性がなかったことであった(58人、56%)。46人の患者が12ヶ月のフォローアップを受け、28人(61%)が良好なアウトカムだった(治癒、治療完遂、培養陰性化)。47人の患者がデラマニド開始時に喀痰塗抹が陽性であり、31人中16人(52%)が2ヶ月以内、31人中25人(81%)が6ヶ月以内に喀痰陰性化を達成した。67人重篤な有害事象が29人(28%)に報告された。4回のQT延長(500msec超)が2人(2%)にみられ、1例では治療中止となった。しかしながら、不整脈の発生はなかった。
結論:
HIV陽性患者が多い大規模コホート研究では、リファンピシン耐性結核に対するデラマニド治療は早期に良好な治療反応性を達成し、忍容性も良かった。デラマニドは、特に通常のレジメンが適用できない場合に有効な選択肢である。
![]() ポケット呼吸器診療(2018) [ 林清二 ] |