
Daniel Lightwood, et al.
Efficacy of an Inhaled Interleukin-13 Antibody Fragment in a Model of Chronic Asthma
Am J Respir Crit Care Med. 2018 Jun 8. doi: 10.1164/rccm.201712-2382OC.
背景:
インターロイキン-13(IL-13)は、アレルギー性喘息の病原性にかかわる重要なサイトカインであり、吸入治療の魅力的な標的でもある。
目的:
ネブライザー吸入抗IL-13モノクローナル抗体FabフラグメントであるCDP7766の効果を、豚回虫に感作させたアレルギー性喘息のカニクイザルモデルを用いて検討した。
方法:
CDP7766は、振動膜ネブライザーeFlowを用いて吸入された。CDP7766のeFlow下での粒子径や生物物理学的・機能的特徴を観察した。ネブライザーCDP7766は、0.1–60 mg/1個体・1日1回5日間のレジメンとした。
結果:
吸入CDP7766は忍容性が高く、有害事象はほぼ観察されなかった。気管支肺胞洗浄液中のアレルゲン誘発サイトカインおよびケモカインアップレギュレーションはCDP7766によって有意に阻害された(60 mg vs vehicle: エオタキシン-3 P<0.0008; マクロファージ炎症性タンパク-1β, IL-8, IL-γ P≤0.01)。
結論:
カニクイザルモデルにおいて、抗IL-13抗体CDP7766のネブライザー吸入は、アレルゲン誘発サイトカインを阻害し、アレルギー性喘息の潜在的な治療ターゲットとして期待される。
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