一般診療所における百日咳の臨床的特徴
2018年 07月 11日

雨宮徳直ら
遷延性咳嗽にて一般診療所を受診したPT-IgG抗体価高値成人百日咳の臨床的特徴
日呼吸誌, 7(3): 125-130, 2018
方法:
2015 年5 月1 日から2017 年5 月31 日までの期間,3 週間以上8 週間までの遷延性咳嗽を主訴にあめみや内科を受診した成人患者のうち,胸部単純X線写真にて明らかな他疾患であることが判明した場合,病歴や聴診上明らかに気管支喘息による咳嗽と診断した場合,採血検査によるPT-IgG 抗体価検査を希望されない場合を除いて,PT-IgG抗体価を測定した.PT-IgG抗体価100 EU/mL以上を呈した症例を対象としてその臨床的特徴を検討した.
結果:
当該期間内に遷延性咳嗽にて来院した症例は926 例(男性392例,女性534 例)であった.PT-IgG検査を施行した症例は530例(男性201例,女性329 例),PT-IgG≧100 EU/mL 以上の陽性症例は52 例(5.6%)[男性18 例(4.6%),女性34例(6.4%)]であった。陽性例の年齢中央値42歳(23~73歳),咳嗽持続期間中央値4週(最小値3週,最大値8 週).百日咳に特徴的な症状については,「発作性咳き込み」を31 例(59.6%),「吸気性笛声」を9 例(17.3%),「咳き込み後の嘔吐」を15例(28.8%)に認めた.一方,百日咳に特徴的な症状をすべて伴わない症例を15例(28.8%)に認めた。
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by otowelt
| 2018-07-11 00:14
| 感染症全般