
Jacques L, et al.
Effectiveness of fluticasone furoate/vilanterol versus fluticasone propionate/salmeterol on asthma control in the Salford Lung Study.
J Asthma. 2018 Jul 4:1-26.
目的:
The Asthma Salford Lung Studyによって、イギリスにおけるプライマリケアの1日1回のフルチカゾンフランカルボン酸エステル/ビランテロール(FF/VI)は通常喘息ケア継続と比べて効果的であることが示されている。今回は、フルチカゾンプロピオン酸エステル/サルメテロール(FP/Salm)の維持療法を継続する場合とFF/VIにスイッチする場合の比較をおこなった。
方法:
The Asthma Salford Lung Study患者においてACT、AQLQ、WPAI、重度の増悪、サルブタモールレスキューの処方数、有害事象を12ヶ月におよび記録した。
結果:
試験以前からFP/Salmを継続している1264人について、FF/VI(100[200]/25μg)を新規に開始群する646人と、FP/Salmを継続する群618人にランダムに割り付けた。このうち978人は、ACTベースラインが20未満で、主要有効性解析集団に組み込まれた。
主要有効性解析集団では、24週目においてACT総スコアが20以上でベースラインから3以上改善した患者の割合は、FP/Salm群の56%(254人)だったのに対し、FF/VI群では71%(323人)と有意に高かった(オッズ比2.03、95%信頼区間1.53-2.68、p<0.001)。また、同様の結果は全集団でも観察された(オッズ比1.94、95%信頼区間1.51-2.50、p<0.001)。

52週目では、全集団においてAQLQ総スコアがベースラインから0.5ポイント以上変化した患者の割合は、FF/VI群で56%(325人)、FP/Salm群で46%(258人)と、FF/VI群のほうが有意に高かった(オッズ比1.70、95%信頼区間1.32-2.19、p<0.001)。

WPAI、年間喘息増悪率、サルブタモール処方数のアウトカムにおいても、FP/Salm群に比べてFF/VI群のほうが良好な結果だった。
肺炎がそれぞれ6人に観察された。死亡が4人にみられたが、吸入薬との因果関係は否定された。
結論:
プライマリケアにおいて、FF/VIによる治療を開始することはFP/Salmを継続するよりも良好なアウトカムをもたらす。
![]() 呼吸器内科実践NAVI “近中”の極意 [ 林 清二 ] |