FLASH試験:中等症~重症COPDに対するアドエア®からウルティブロ®へのスイッチ

FLASH試験:中等症~重症COPDに対するアドエア®からウルティブロ®へのスイッチ_e0156318_1633480.jpg ICS/LABAからLAMA/LABAへのスイッチなので、まぁ当然だとは思いますが・・・。

Peter A. Frith, et al.
Efficacy and safety of the direct switch to indacaterol/glycopyrronium from salmeterol/fluticasone in non‐frequently exacerbating COPD patients: The FLASH randomized controlled trial
Respirology, First published: 03 August 2018


背景および目的:
 COPDにおいてLAMA/LABAはICS/LABAよりもすぐれた臨床アウトカムであるが、ICS/LABAを直接LAMA/LABAにスイッチするランダム化比較試験のデータは不足している。本研究は、ウォッシュアウト期間をもうけずに、フルチカゾン/サルメテロール(SFC)からインダカテロール/グリコピロニウム(IND/GLY)にスイッチした際、肺機能や忍容性をみることが目的である。

方法:
 12週間の他施設共同二重盲検試験において、中等症~重症COPD患者(過去1年で1回以下の増悪歴まで許容)でSFCを3ヶ月以上用いている患者をSFC継続あるいはIND/GLYスイッチ群にランダムに割り付けた。プライマリエンドポイントは、12週時の気管支拡張前トラフ1秒量とした。

結果:
 合計502人が1:1にランダム化された。IND/GLYにスイッチした患者はトラフ1秒量がSFC継続よりも有意に高かった(差45mL、p=0.028)。IND/GLYは優位に努力性肺活量も改善させた(差102mL、p=0.002)。TDIも改善させた(差0.46点、p=0.063)。レスキュー使用やCATスコアは両群同等だった。安全性プロファイルも両群同等だった。

結論:
 FLASH試験によれば、中等症~重症COPD患者においてSFCからIND/GLYにスイッチすることで気管支拡張前トラフ1秒量や努力性肺活量が有意に改善した。



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by otowelt | 2018-09-04 00:44 | 気管支喘息・COPD

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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