重症喘息を有する日本人女性において肥満は喘息コントロール不良と関連
2018年 08月 24日
言われてみると、確かに日本のデータは見かけません。男性の肥満喘息はあまり診たことがありませんが、女性の肥満喘息はチラホラ見かけます。物理的な影響だけでなく、レプチンが好酸球の炎症局所への遊走を促進したり、アディポサイトカインがステロイド感受性を低下させたり、いろいろな説があるようです。
To M, et al.
Obesity-associated severe asthma in an adult Japanese population.
Respiratory Investigation, DOI: https://doi.org/10.1016/j.resinv.2018.07.003
背景:
重症喘息は公衆衛生学的に重要な問題として認識されている。肥満は、喘息コントロール不良や喘息重症度悪化のリスク因子である。しかしながら、肥満患者と喘息の関連性を調べたほとんどの研究は欧米諸国のものである。重症喘息を有する肥満の日本人の特徴はほとんど報告されていない。そのため、われわれは日本人集団において肥満関連喘息の臨床的特徴、および肥満と喘息コントロール不良の関連性を調べた。
方法:
重症喘息の成人患者の後ろ向き観察研究である。患者はBMI25以上の肥満群と25未満の非肥満群の2群に分けられた。この2群を比較検討した。肥満の特徴と代謝性マーカーは男女で差がみられることがわかっているため、男性のみのコホートと女性のみのコホートに分けて解析した。
結果:
合計492人が登録された。年齢、喫煙歴(pack-years)、日常的なコントローラー使用、スパイロメトリーデータは肥満群・非肥満群で差はみられなかった。女性コホートにおいて、年間の増悪率および頻回な増悪の頻度は、肥満群のほうが非肥満群よりも有意に高かった。多変量ロジスティック回帰分析では、女性コホートにおいて、肥満は頻回な喘息の増悪と独立して関連していた。 (文献より引用:男女別のプロファイル)
結論:
われわれの研究において、BMI25以上の肥満は、重症喘息を有する日本人女性の喘息コントロール不良(急性増悪を含む)と独立して関連していた。
To M, et al.
Obesity-associated severe asthma in an adult Japanese population.
Respiratory Investigation, DOI: https://doi.org/10.1016/j.resinv.2018.07.003
背景:
重症喘息は公衆衛生学的に重要な問題として認識されている。肥満は、喘息コントロール不良や喘息重症度悪化のリスク因子である。しかしながら、肥満患者と喘息の関連性を調べたほとんどの研究は欧米諸国のものである。重症喘息を有する肥満の日本人の特徴はほとんど報告されていない。そのため、われわれは日本人集団において肥満関連喘息の臨床的特徴、および肥満と喘息コントロール不良の関連性を調べた。
方法:
重症喘息の成人患者の後ろ向き観察研究である。患者はBMI25以上の肥満群と25未満の非肥満群の2群に分けられた。この2群を比較検討した。肥満の特徴と代謝性マーカーは男女で差がみられることがわかっているため、男性のみのコホートと女性のみのコホートに分けて解析した。
結果:
合計492人が登録された。年齢、喫煙歴(pack-years)、日常的なコントローラー使用、スパイロメトリーデータは肥満群・非肥満群で差はみられなかった。女性コホートにおいて、年間の増悪率および頻回な増悪の頻度は、肥満群のほうが非肥満群よりも有意に高かった。多変量ロジスティック回帰分析では、女性コホートにおいて、肥満は頻回な喘息の増悪と独立して関連していた。
結論:
われわれの研究において、BMI25以上の肥満は、重症喘息を有する日本人女性の喘息コントロール不良(急性増悪を含む)と独立して関連していた。
呼吸器内科実践NAVI “近中”の極意 [ 林 清二 ] |
by otowelt
| 2018-08-24 00:12
| 気管支喘息・COPD