LAM患者に対してCATは有用
2018年 09月 06日

Kato M, et al.
COPD assessment test as a possible tool for evaluating health-related quality of life in lymphangioleiomyomatosis
Respiratory Investigation, DOI: https://doi.org/10.1016/j.resinv.2018.07.004
背景:
リンパ脈管筋腫症(LAM)はCOPDに類似した閉塞性換気障害をきたす進行性の嚢胞性疾患であり、健康関連QOLが障害される。そこで、われわれはCOPDアセスメントテスト(CAT)をCOPD以外の慢性呼吸器疾患に広く使うことができるかどうか調べた。今回はLAMに対してCATの有用性を検証した。
方法:
MLSTSに登録された順天堂大学病院に通院する25人(平均年齢41.20±6.76歳、BMI20.39±2.61)のLAM患者データを用いて、われわれは肺機能変化、健康関連QOLの反応性(CAT、SGRQスコア、EuroQOL-VAS、FPI)、24ヶ月のシロリムス治療期間中の肺機能と健康関連QOLの関連性について調べた。
結果:
1秒量、努力性肺活量、CAT総スコアはシロリムス治療の24ヶ月を通じて改善がみられた(それぞれ5.33 ± 1.20 mL/ヶ月, 2.61 ± 1.16 mL/ヶ月, −0.127 ± 0.022点/ヶ月)。一方、SGRQ総スコア、EuroQOL-VAS、FPIスコアには有意な変化がみられなかった。
1秒量、%1秒量、1秒率の変化は、CAT総スコア、CAT息切れスコア、SGRQ活動性と有意に相関していた。線形混合効果モデルにおけるステップワイズ多変量回帰では、CAT息切れスコア・自信スコアはベースラインからの1秒量変化と有意に関連する信頼性のある項目だった(p=0.0011, p=0.0441)。
※CAT息切れスコア:「坂や階段を上っても息切れがしない」の項目
※CAT自信スコア:「肺の状態を気にせずに外出できる」の項目

結論:
我々の研究によれば、シロリムス治療中のLAM患者の健康関連QOLの評価にCATは有用と考えられる。
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by otowelt
| 2018-09-06 00:46
| びまん性肺疾患