ベンラリズマブが効きやすい因子
2018年 09月 11日

Eugene R. Bleecker, et al.
Baseline Patient Factor Impact on the Clinical Efficacy of Benralizumab for Severe Asthma
European Respiratory Journal 2018; DOI: 10.1183/13993003.00936-2018
背景:
ベンラリズマブは抗好酸球モノクローナル抗体であり、好酸球性炎症がある重症コントロール不良喘息患者の増悪を減らし肺機能を改善させる効果がある。われわれは、重症喘息患者におけるベンラリズマブの有効性に影響するベースライン因子を評価した。
方法:
この解析は、第III相試験であるSIROCCO試験およびCALIMA試験のプールデータを解析したものである。12~75歳の高用量ICS/LABAを吸入している重症コントロール不良喘息患者がベンラリズマブ30mgを8週ごと(最初の3回は4週間ごと)、4週ごと、あるいはプラセボを投与される群に割り付けられた。ベンラリズマブの有効性に影響を与えるベースライン因子(経口ステロイド使用、鼻ポリープ、気管支拡張前努力性肺活量、過去1年の増悪、診断時年齢)が評価された。年間増悪率や気管支拡張前1秒量といった有効性アウトカムが治療終了時に比較された。
結果:
ベンラリズマブ8週ごとは、好酸球300/μL以上の患者ではベースラインの因子にかかわらず有効だった。好酸球300/μL未満の集団では、経口ステロイド使用、鼻ポリープ、努力性肺活量<65%の因子を有する患者が8週ごとのベンラリズマブによる増悪率減少の恩恵を受けた。
結論:
ベースラインの臨床的因子や好酸球数は、ベンラリズマブに反応しやすい患者を同定する上で役立つ。
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by otowelt | 2018-09-11 17:50 | 気管支喘息・COPD