悪性胸水に対する胸膜癒着術の効果予測に24時間後胸壁エコーが有用
2018年 10月 10日

John P. Corcoran, et al.
Thoracic Ultrasound as an Early Predictor of Pleurodesis Success in Malignant Pleural Effusion
CHESt, DOI: https://doi.org/10.1016/j.chest.2018.08.1031
背景:
悪性胸水の貯留や症状再発を予防するための確実な治療には、胸腔ドレナージや胸膜癒着術のような処置が必要になる。胸壁エコーは、他の臨床的場面でも胸膜癒着を同定することができ、ゆえに悪性胸水における胸膜癒着の成功を予測することができるかもしれない。
方法:
2015年5月から2017年4月までに、悪性胸水に対して12Frの胸腔ドレーンを挿入された18歳以上の患者を登録した前向き観察コホートパイロット研究である。
18人の患者が胸腔ドレナージを適用され、そのうち1か月目の評価が可能だった15人が解析の対象となった。タルク注入による胸膜癒着術を受けた患者に対して、直後、24時間後に胸壁エコーをおこなった(9領域で評価、2点×9=18点が最高)。2人の独立した医師が臨床ステータスを盲検化され、胸壁エコーにおける癒着を評価した。
結果:
胸膜癒着術が成功したのは11人、不成功だったのは4人だった。不成功だった患者はタルク注入後の癒着スコアが低かった(差6.27点、95%信頼区間3.94-8.59)。

結論:
胸壁エコーによって胸膜癒着術の癒着効果判定を予測することができる。
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by otowelt | 2018-10-10 01:18 | 肺癌・その他腫瘍