
Margaret L. Salisbury, et al.
Hypersensitivity Pneumonitis: Radiologic Phenotypes are Associated with Distinct Survival Time and Pulmonary Function Trajectory
CHEST, DOI: https://doi.org/10.1016/j.chest.2018.08.1076
背景:
過敏性肺炎(HP)は、特発性肺線維症(IPF)と比較して予後良好な間質性肺疾患である。われわれは、放射線学的フェノタイプ別のHPとIPFの生存期間、肺機能の推移を比較した。
方法:
117人のHP患者は、外科的/経気管支肺生検、気管支肺胞洗浄、曝露歴に基づいて診断した。161人のIPF患者は、臨床的および組織病理学的に診断した。全患者のベースライン胸部HRCTと%努力性肺活量が検査された。3人の胸部放射線科医が放射線学的特徴を分類した。ベースラインの胸部HRCT撮影から死亡あるいは肺移植までのイベントフリー生存期間をみた。Cox比例ハザードモデルを用いて、イベントフリー生存期間に関連する因子を同定した。線形混合モデルにより胸部HRCT後の%努力性肺活量の推移を比較した。
結果:
臨床的に診断された患者は、3つの相互排他的な放射線学的フェノタイプに分類された。すなわち、蜂巣肺が存在するタイプ、蜂巣肺はないが線維化(牽引性気管支拡張および網状影)が存在するタイプ、線維化が存在しないタイプである。線維化がみられないHPは、もっともイベントフリー生存期間が長く(>14.73年)、%努力性肺活量が改善した(+1.92%、95%信頼区間0.49~3.35、p=0.009)。蜂巣肺がないが線維化が存在するHPは、イベントフリー生存期間がIPFより長かったが(>7.95年 vs 5.20年)、%努力性肺活量の減少は同等だった。蜂巣肺があるHPおよびIPF患者は生存期間がもっとも短く(それぞれ2.76年、2.81年)、%努力性肺活量の減少も大きかった。
結論:
HPにおける3つの放射線学的フェノタイプを同定した。蜂巣肺はないが線維化がみられる患者におけるHP診断は重要である。もし蜂巣肺があれば、いずれにしても予後不良であるため確定診断を得るための侵襲的診断処置は限定されるべきかもしれない。
![]() 末梢病変を捉える気管支鏡“枝読み”術 [ 栗本典昭 ] |