本の紹介:シュロスバーグの臨床感染症学

 呼吸器科ではたくさん感染症を診るのですが(どこの科でもそうですが)、聖書マンデルで調べるとなかなか骨が折れます。そこで紹介したいのがこのシュロスバーグ。原著はたくさんの執筆者がいますが、翻訳はわずか15人で仕上げておられます。すごい翻訳力ですね。
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発売日:2018年9月28日
単行本 : 1,248ページ
価格 : 20,000円 (税別)
出版社 : メディカルサイエンスインターナショナル
著者: David Schlossberg先生
監訳 : 岩田健太郎先生

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 さすがに通読してレビューすることが難しい厚さだったので、めぼしいところを読ませていただいた感想を。

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 前半600ページあまりは臓器ごとの感染症について細かく記載されており、後半は微生物ごとにまとめられている構成です。
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 シュロスバーグという名前は、2年前に同社から翻訳版が出ている『結核と非結核性抗酸菌症』で知りました。抗酸菌感染症をここまで細かくまとめた書籍を見たことがなかったので、私はすでにファンになっていました。ちなみに本書の非結核性抗酸菌のところはやはりグリフィス先生が書かれており、近年のトピックであるM. massilienseのことにも触れられていました。この章はわずか8ページだったのですが、余白を余すことなくビッシリ記載されています。詳しく知りたい人は、ぜひ『結核と非結核性抗酸菌症』も買いましょう。

 市中肺炎は、非定型肺炎と合わせてざっくり13ページにまとめられています。国内外でよく使われる抗菌薬に違うところがあるかもしれませんが、「筆者の推奨」とことわりを入れて書かれてある点は好感が持てます。

 呼吸器内科でよく遭遇する感染症だけでもこれほどスマートにまとめられているのに、全部で1,200ページ以上あるなんて、ワクワクしませんか?上に書いたように、マンデルほどガッツリ調べたいわけじゃないけど、サラっと辞書的に参照したいとき、この本をまず手に取るとよいでしょう。





by otowelt | 2018-10-13 00:24 | その他

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