COPDに対する初期治療でICS/LABAを用いるべき条件

e0156318_1633480.jpg ACOの基準には当てはまらないけれど、喘息コンポーネントを持ったCOPD患者さんというのは存在するので、それほど目新しい知見ではないと思います。

Samy Suissa, et al.
Comparative effectiveness of LABA-ICS versus LAMA as initial treatment in COPD targeted by blood eosinophils: a population-based cohort study
Lancet Respiratory Medicine, DOI:https://doi.org/10.1016/S2213-2600(18)30368-0


背景:
 長時間作用性β2刺激薬(LABA)および長時間作用性抗コリン薬(LAMA)は、COPDの初期治療として推奨されており、ほぼすべてのLABAは吸入ステロイド(ICS)との固定併用製剤(LABA-ICS)が提供されている。われわれは、リアルワールドセッティングにおいて、潜在的なICSの有効性バイオマーカーである血中好酸球に応じたLABA-ICSの初期治療の有効性と安全性をLAMAと比較した。

方法:
 この集団ベースコホート研究において、われわれは2002年~2015年の間、イギリス臨床プラクティス研究データリンクから登録された55歳以上のCOPD患者で、LAMAあるいはLABA-ICSで治療を開始されたコホートを同定した。同じ日に両気管支拡張薬を開始された患者は除外された。すべての患者はコホート登録前に少なくとも1年の病歴があって、血中好酸球濃度を登録前に測定しており、気管支拡張薬を最初に処方された日をもって登録開始とした。LAMAを開始された患者は、LABA-ICSを開始された患者と高次元傾向スコアに基づいてマッチされた。患者は1年間追跡され、中等症あるいは重症COPD増悪および重症肺炎の発生が観察された。好酸球濃度を2レベル設定し感度解析をおこない、現在の喘息や過去のCOPD増悪既往によって層別化した。

結果:
 2002年1月1日から2015年12月31日までに、コホート内で53万9643人のLABAあるいはLAMAが処方され、そのうち18500人がLABA-ICS、13870人がLAMAされた。傾向スコア分析に12366人のLAMA群(主にチオトロピウム)と12366人のLABA-ICS群が組み入れられた。COPD増悪のハザード比はLAMA群と比較するとLABA-ICS群で0.95(95%信頼区間0.90-1.01)だった。好酸球比率が白血球の2%未満の患者ではハザード比は1.03(95%信頼区間0.93-1.13)、好酸球比率が2-4%の患者ではハザード比は1.00(95%信頼区間0.93-1.13)となった。好酸球比率が4%を超える患者では、ハザード比は0.79(95%信頼区間0.70-0.88)だった。肺炎の頻度はLABA-ICS開始で増加し(ハザード比1.37、95%信頼区間1.17-1.60)、これは好酸球濃度がどの場合であっても同等だった。感度解析でもこれらの知見と一致していた。

結論:
 リアルワールドにおける観察研究では、COPDの初期治療にLABA-ICS吸入を用いることは、LAMAと比較して好酸球比率が高い例(>4%)、好酸球数が高い例(>300/μL)、そしておそらく増悪の頻度が高い例においてより効果的に作用することが示された。ICS成分に関連した肺炎の増加のため、LAMAで開始することは血中好酸球比率が4%未満の患者に適用すべきと考えられる。


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by otowelt | 2018-11-02 00:53 | 気管支喘息・COPD

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