
Nakao M, et al.
Immunonutritional status and pulmonary cavitation in patients with tuberculosis: A revisit with an assessment of neutrophil/lymphocyte ratio
Respiratory Investigation, DOI: https://doi.org/10.1016/j.resinv.2018.08.007
背景:
いくつかの報告では、結核患者の罹患や死亡において免疫学的および栄養学的な重要性が記述されている。この研究の目的は、肺結核の患者において、肺の空洞と免疫栄養学的ステータスの関連性を評価することである。免疫栄養学的ステータスは、好中球/リンパ球比(NLR)や予後的栄養インデックス(PNI)といったパラメータによってアセスメントした。
方法:
われわれは、2008年4月から2016年3月までに、海南病院で細菌性肺炎を合併していない培養陽性活動性肺結核患者と診断された患者137人を後ろ向きに解析した。血清アルブミン、リンパ球、NLR、PNI、血小板/リンパ球比(PLR)、BMI、肺の空洞が評価された。
結果:
合計77人の男性および60人の女性(年齢中央値75歳、範囲16-94歳)が研究に組み込まれた※。66人の患者が喫煙歴を有しており、55人が呼吸器症状を呈し、44人が何も症状がなかった。症状発生から60日を超えて医療機関を受診したペイシェント・ディレイ(受診遅れ)は25人に観察された。単変量解析では、高NRL(≧5)、高PLR(≧200)、血清アルブミン低値(<3g/dL)、好中球高値(>6000/mm3)、リンパ球低値(<1000/mm3)は肺の空洞と関連していた。多変量解析では、高NLRおよび血清アルブミン低値が肺の空洞と関連していた(性別と喫煙歴で補正したモデルでは、それぞれ補正オッズ比3.05[95%信頼区間1.25-7.44]、0.37[95%信頼区間0.15-0.88])。

結論:
栄養不良および炎症の重症度の増加は、結核患者における肺の空洞と関連しているかもしれない。本研究の知見を確かなものにするため、さらなる研究が望まれる。
※アブストラクトでは異なる人数が記載されているが、解析されたのは男性77人、女性60人であったため、修正して記載。
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