
Ishikawa T, et al.
Safety of diagnostic flexible bronchoscopy in patients with echocardiographic evidence of pulmonary hypertension
Respiratory Investigation, DOI: https://doi.org/10.1016/j.resinv.2018.08.009
背景:
肺高血圧症(PH)の存在と抗凝固薬の治療は、気管支鏡処置に関連した出血/血行動態上の合併症リスクを上昇させる。この研究の目的は、PHの患者における診断的軟性気管支鏡(FB)の安全性を評価することである。
方法:
日本の単施設において、2004年から2016年に診断的FBを適用された、心臓超音波に基づくPH(右室拡張期圧[RVSP]>40mmHg)がある患者の診療録を用いた後ろ向きレビューが実施された。同時期にFBをおこなわれたPHを支持する臨床的所見のない患者がペアワイズマッチコントロール群として登録された。マッチングに用いられた因子は、年齢、性別、おこなわれた処置である。
結果:
全体で、45人のPH群、90人のコントロール群患者が登録された。PH群の6人(13%)が重症PH(RVSP>61mmHg)を有していた。鉗子生検および経気管支針吸引が、PH群の62%、13%、コントロール群の58%、13%に実施された。FB中の出血の頻度は、両群で差がなかった(18% 対 16%; p = 0.742)。FB後2時間に記録されたバイタルサインについても、両群で差はなかった。不整脈やFB処置に関連した死亡のエピソードはなかった。
結論:
本データによれば、診断的FBは心臓超音波によるPHを有する患者において、安全に実施できると考えられる。
![]() 気管支鏡ベストテクニック改訂2版 [ 浅野文祐 ] |