致死的な急性好酸球性肺炎では牽引性気管支拡張がみられる
2018年 11月 14日

Takei R, et al.
Traction bronchiectasis on high-resolution computed tomography may predict fatal acute eosinophilic pneumonia
Respiratory Investigation, DOI: https://doi.org/10.1016/j.resinv.2018.09.005
背景:
急性好酸球性肺炎(AEP)のほとんどの患者は、急速に改善する。しかしながら、AEPのいくつかの例は致死的になる。この研究の目的は、AEPが致死的アウトカムになる臨床的、放射線学的、病理学的特な特徴を決定し、予後不良因子を同定することである。
方法:
日本にあるわれわれの施設で、2005年7月から2013年7月までにAEPと診断された全患者の診療録を後ろ向きに同定した。
結果:
試験期間中にAEPと診断された41人のうち4人が死亡した。死亡した患者は全員男性で、3人が特発性、1人が薬剤関連だった。気管支肺胞洗浄中の好酸球分画の中央値は59%だった。薬剤関連AEPだった患者で剖検がおこなわれ、病理学的に好酸球浸潤を伴うびまん性肺胞傷害がみられた。致死的AEPとなった4人において、胸部高分解能CTでびまん性のすりガラス吸収域および牽引性気管支拡張(TBE)が同定された。TBEは6人(特発性AEPの5人、薬剤関連AEPの1人)に観察され、これらの患者の67%が死亡している。喫煙関連AEPの患者は誰もTBEを有していなかった。これらの患者は治療反応性がよく、生存していた。
結論:
治療に反応しなかった致死的AEP患者の特徴を観察した。致死例では全例にTBEが観察され、予後不良と関連していた。
by otowelt | 2018-11-14 00:47 | びまん性肺疾患