空洞性病変の存在と2ヶ月後の塗抹陽性の組み合わせは肺結核再発のリスク

空洞性病変の存在と2ヶ月後の塗抹陽性の組み合わせは肺結核再発のリスク_e0156318_1302985.jpg 既知の知見ですが、結核病学会ではあまり「2ヶ月後の菌陽性」というのは重要視されなくなるかもしれません(塗抹と培養の違いはありますが)。個人的にはリスク高そうなら長めに飲もうか、というスタンスでよいと思っています。

Romanowski K, et al.
Predicting tuberculosis relapse in patients treated with the standard 6-month regimen: an individual patient data meta-analysis.
Thorax. 2018 Nov 12. pii: thoraxjnl-2017-211120. doi: 10.1136/thoraxjnl-2017-211120.


背景:
 結核(TB)の再燃は、結核患者および同プログラムにとって世界的に大きな足枷となっている。われわれは、WHOの標準6ヶ月レジメンで治療された患者のTB再発に関連した臨床的および微生物学的を同定し、再発アウトカムを予測する各々の因子の精度を評価することを目的とした。

方法:
 標準治療を受けた患者における治療アウトカムを報告したランダム化比較試験を同定するため、システマティックレビューをおこなった。筆者にコンタクトをとり、患者レベルデータ(IPD)を共有してもらうようはたらきかけた。ランダム切片ロジスティック回帰モデルおよびROC曲線を用いて1段階IPDメタアナリシスをおこない、関連する因子の予測パフォーマンスを評価した。

結果:
 IPDデータは12研究のうち3研究から得られた。1189人の治療を完遂した肺TBのうち、67人(5.6%)が再発した。多重予測解析において、ベースラインに空洞性病変があり2ヶ月時点で塗抹陽性の場合、再発のオッズ比は上昇し(オッズ比2.3、95%信頼区間1.3-4.2)、再発リスクは10%となった。多重予測モデルの曲線下面積を比較したとき、低リスクおよび高リスクの鑑別能は大きくなく、年齢、性別、HIVステータスを考慮した参照モデルと同等だった。

結論:
 予測能は悪かったが、とりわけ医療リソースが限られた状況においては、空洞性病変の存在と2ヶ月時点での塗抹陽性ステータスの組み合わせは、再発リスクにある個人を同定する上で現在最も有用なマーカーかもしれない。これらの因子の組み合わせが、実臨床において別治療を要することを裏付けるかどうかを検証するために、さらなる研究が必要である。





by otowelt | 2018-12-18 00:43 | 抗酸菌感染症

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
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