ネットワークメタアナリシス:ICSに併用する各LABAに差はない

ネットワークメタアナリシス:ICSに併用する各LABAに差はない_e0156318_1637713.jpg 当然と言えば当然の結果です。

Tang Y, et al.
The efficacy and safety of different long-acting β2-agonists combined with inhaled glucocorticoid regimens in patients with asthma: a network meta-analysis.
J Asthma. 2018 Oct 25:1-13. doi: 10.1080/02770903.2018.1531991. [Epub ahead of print]


目的:
 喘息患者において、現行の吸入ステロイド(ICS)と異なる長時間作用性β2刺激(LABA)の併用レジメンの維持治療の効果と安全性を同定すること。

方法:
 PubMed、Cochrane Library、Embaseデータベースにおいて2017年1月までの妥当な研究を包括的に調べた後、ネットワークメタアナリシス(NMA)を実施した。喘息患者においてICSと併用したLABAを比較したランダム化比較試験を選択した。

結果:
 17試験が解析に組み込まれ、10,961人および7治療レジメンが登録された。われわれのNMAでは、中等症あるいは重症の増悪に関して、薬剤間に統計学的有意差はみられなかった。副作用についても、研究間に有意差はなかった。さらに、6試験の結果では無症状日数に関しても薬剤間に統計学的有意差はなかった。異質性と不一致のアウトカム解析でも、レジメン間に差はなかった。

結論:
 われわれの知見によれば、中等症あるいは重症の増悪、副作用、無症状日数に関して、ICSに併用した異なるLABAの間に統計学的有意差はなかった。





by otowelt | 2018-11-30 00:48 | 気管支喘息・COPD

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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