
Lee KH, et al.
Comparison of additional minocycline versus iodopovidone pleurodesis during video-assisted thoracoscopic bleb resection for primary spontaneous pneumothorax: a propensity score-matched analysis.
J Thorac Dis. 2018 Sep;10(9):5443-5448.
背景:
原発性自然気胸(PSP)における胸腔鏡下手術(VATS)のブレブ切除に際して、妥当な化学物質を追加的胸膜癒着剤として加えることには議論の余地がある。われわれは、VATSによるブレブ切除に際して、追加の化学的胸膜癒着剤としてのポビドンヨードの効果と安全性をミノサイクリンと比較した。
方法:
VATSでブレブ切除を受けた332人のうち、299人がPSPと診断された。追加的な胸膜癒着術を行う化学物質によって患者は2群に分けられた(ポビドンヨード vs ミノサイクリン)。手術前臨床パラメータに基づいて、傾向スコアマッチングがおこなわれた。術後合併症、胸腔ドレーン挿入期間、術後入院期間、再発率が2群で比較された。
結果:
追跡期間中央値は14ヶ月だった(範囲1-94ヶ月)。傾向スコアマッチングにより、ポビドンヨード群の94人、ミノサイクリン群の94人が比較された。発熱、胸水持続、術後ベッドサイドでの胸膜癒着術実施、合併症による再入院を含む周術期アウトカムは2群で有意な差はなかった。しかしながら、術後2日間のドレナージ量、胸腔ドレーン挿入期間、入院期間についてはミノサイクリンのほうが短かった(P<0.001)。
結論:
この研究では、追加的胸膜癒着剤としてミノサイクリンとポビドンヨードの安全性が示された。しかしながら、われわれは術後回復が早いことから胸膜癒着剤としてはポビドンヨードよりもミノサイクリンを慎重に推奨したい。