EBUS-GS併用クライオバイオプシーの有用性

e0156318_10535567.png 東京女子医科大学の有村先生のクライオバイオプシーに関する論文です。EBUS-GS併用クライオバイオプシーという、気管支鏡の世界では最先端の報告と思います。しかし、同生検は保険点数が加算されませんので、機械も完全に施設もちというツライ現状があります。

Arimura K, et al.
Cryobiopsy with endobronchial ultrasonography using a guide sheath for peripheral pulmonary lesions and DNA analysis by next generation sequencing and rapid on-site evaluation.
Respiratory Investigation, https://doi.org/10.1016/j.resinv.2018.10.006


背景:
 びまん性肺疾患や気管支内腫瘍に対するCryo生検の有用性は報告されているが末梢肺野病変(PPLs)に対するEBUS-GS併用クライオバイオプシーの有用性はよく分かっていない。また次世代シークエンサー(NGS)を用いたEBUS-GS併用クライオバイオプシー検体のDNA評価、遺伝子解析や迅速細胞診(ROSE)の有用性についての報告はない。本研究の目的はEBUS-GS併用クライオバイオプシーの診断率、検体体積、NGSを用いた肺癌DNAの質量評価と肺癌遺伝子解析、ROSEの有用性を評価することである。

方法:
 本前向き研究では、30人が適格基準を満たし、23人が登録された(男性20人、女性3人)。PPLsを指摘された患者に対してEBUS–GS下に鉗子生検 (TBB) 5回、クライオバイオプシー1~2回の順に行った。気管支鏡下目視による肺癌やEBUSに接した0.5cm以上の血管が確認された場合は除外された。最終診断に基づいてクライオバイオプシーの診断率を算出し、クライオバイオプシー・TBB両検体の体積比較、クライオバイオプシーによるROSEと最終診断との比較をおこない、および肺癌DNA量とA260/A280測定後にNGSを用いた肺癌遺伝子解析を行いその有用性と安全性を評価した。

結果:
 肺癌は17人で、10人(38.5%)が腺癌、5人(13.8%)が扁平上皮癌、小細胞癌と転移性腫瘍はそれぞれ1人ずつだった。
 診断率はクライオバイオプシー85%、TBB80%、平均体積はクライオバイオプシー0.078cm3±0.008(p<0.0001)、TBB0.003cm3 ±0.0003だった。感度、特異度、陽性尤度比(PPV)、陰性尤度比(NPV)、正診率は、クライオバイオプシーで85%、100%、100%、50%、87%、TBB検体で80%、100%、100%、42.9%、82.6%だった。ROSEはそれぞれ70%、100%、100%、33.3%、73.9%であった。
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(文献より引用)

 肺癌DNA量は5.72μg(1.68-11.2)、肺癌DNAのA260/A280は1.91(1.80-2.00)で全症例で遺伝子の解析が可能だった。このうち、最も多かった肺癌遺伝子はTP53であった。4例に軽度の出血がみられた以外、臨床的意義のある有害事象は観察されなかった。

結論:
 PPLsに対するEBUS-GS併用クライオバイオプシーは有用かつ安全な検査法である。クライオバイオプシーは高い診断率を得ることができ、TBBと比較して検体体積が有意に大きかった。肺癌DNAとNGSを用いた遺伝子解析に適しており、最終診断とROSEの一致率は高かった。今後発展する網羅的遺伝子解析に有用である可能性がある。






by otowelt | 2018-12-05 00:04 | 気管支鏡

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