PredART試験:ステロイドは結核のIRISを防げるか?

PredART試験:ステロイドは結核のIRISを防げるか?_e0156318_1302985.jpg 個人的には初期悪化に対してはステロイドを使ってもよいと思っています。長い期間でもないですし・・・。

Meintjes G, et al.
Prednisone for the Prevention of Paradoxical Tuberculosis-Associated IRIS.
N Engl J Med. 2018 Nov 15;379(20):1915-1925.

背景:
 結核を有するHIV感染患者の抗レトロウイルス治療の早期開始は、CD4陽性細胞数が少ない患者では死亡率を減らすが、結核関連免疫再構築炎症症候群(IRIS)のリスクを増加させる。

方法:
 われわれはランダム化二重盲検プラセボ対照試験によって、予防的プレドニゾンがリスクの高い患者において安全に結核関連IRIを減らすことができるかどうか調べた。ART開始から30日以内に結核治療がおこなわれたHIV感染者を組み入れた(過去にARTを受けていないものとする)。また、CD4陽性細胞数が100/μL以下のものを対象とした。患者はプレドニゾン(40mg/日を14日間、その後20mg/日を14日間)あるいはプラセボ(同様の錠剤レジメン)を投与される群に割り付けられた。プライマリエンドポイントは、ART開始から12週間以内の結核関連IRISとした。
 IRISの診断はINSHIコンセンサス症例定義(Lancet Infect Dis. 2008 Aug; 8(8): 516–523.)に基づいて同定した。
 リファンピシン耐性結核、コントロール不良糖尿病、直近1週間以内のステロイド使用、肝機能障害例などは除外された。

結果:
 240人が登録された。年齢中央値は36歳(IQR30-42歳)、60%が男性、73%が微生物学的に結核と診断され、CD4陽性細胞数中央値は49/μL(IQR24-86)だった。HIV type1 RNAウイルス量は5.5log10コピー/mL(IQR5.2-5.9)だった。120人ずつがそれぞれの群に割り付けられたが、18人は追跡不能となった。
 INSHI基準を満たした結核関連IRISは、プレドニゾン群の39人(32.5%)、プラセボ群の56人(46.7%)にだった(相対リスク0.70、95%信頼区間0.51-0.96、p=0.03)。IRIS持続期間は両群同等だった(49日 vs 35日)。結核関連IRISの治療のために、プレドニゾン群の16人(13.3%)、プラセボ群の34人(28.3%)にオープンラベルのステロイドが用いられた(相対リスク0.47、95%信頼区間0.27-0.81)。84日における累積IRIS罹患率はプラセボ群よりプレドニゾン群のほうが低かった(ハザード比0.61、95%信頼区間0.41-0.92)。
 プレドニゾン群の5人、プラセボ群の4人が死亡した(p=1.00)。重症感染症(AIDS含)はプレドニゾン群の11人、プラセボ群の18人にみられた(p=0.23)。Kaposi肉腫がプラセボ群の1例にみられた。

結論:
 ART開始後初期4週間のプレドニゾンは、HIV感染者における結核関連IRISの頻度をプラセボと比較して低下させる。



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by otowelt | 2018-12-11 00:59 | 抗酸菌感染症

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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