GOLD2019総括、および好酸球数とCOPD増悪の関連

 先日、GOLD2019を読み終わった。お風呂に入りながら、また、子供を寝かしつけながら読んだのですが、2~3時間かかってしまいました。まだまだ英語を読むのはヘタクソのようです。
 GOLD2019で強調されたのは、まずは初期治療について理解してもらい、ICSを使う集団を規定したことです。これで、よほどのことがなければ初期治療でICS/LABAが入らないことになります。これまでのガイドラインでは、重症度A~Dでは合剤に関する初期治療選択肢まで示されていましたが、今回初めて「初期治療」と「フォローアップ治療」の2アルゴリズムに分け、あくまでGOLDはステップアップを推奨する立場にしました。後者に関しては「呼吸困難優位タイプ」と「増悪優位タイプ」の2フローがあります。増悪優位の場合にICSを使ってもよいかもしれませんが、末梢血好酸球が高いほど効果があります。
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(GOLD2019より改変引用)
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(GOLD2019より改変引用)

 IJCOPDでFORWARD試験とDransfieldの反復試験の統合解析が報告されていたので、読んでみました。

Siddiqui SH, et al.
Blood eosinophils: a biomarker of COPD exacerbation reduction with inhaled corticosteroids.
Int J Chron Obstruct Pulmon Dis. 2018 Nov 6;13:3669-3676.


背景:
 現行のエビデンスによれば、血中好酸球数は吸入ステロイド薬(ICS)に対する患者反応性と関連していることが支持されている。われわれは、FORWARD試験データおよびDransfieldらの反復2試験の事後予測モデルリングを立案し、ベースラインの好酸球数とCOPD患者の増悪や肺機能に及ぼすICSの影響を調べた。

方法:
 この研究では、ICS/吸入長時間作用性β2刺激薬(LABA)併用とLABA単剤を比較した。それぞれの研究データを用いて、COPD増悪率、気管支拡張薬投与前1秒量、SGRQスコア(これはFORWARD試験のみのデータ)に対する解析において、連続変数として好酸球数を適用した(FORWARD試験:0-1,000/µL、Dransfieldらの試験:0-993/µL)。

結果:
 すべての研究において、LABA単剤と比較するとICS/LABAは好酸球数を問わずCOPD増悪を減少させた。ベースラインの末梢血好酸球数が上昇するほどその減少は大きかった。FORWARD試験では、好酸球数0~1,000/μLのとき、ICS/LABA群の年間増悪率は0.78-0.83回/年で、LABA単独群の年間増悪率は0.81-1.54回/年だった。Dransfieldらの研究では、好酸球数0~993/μLのとき、ICS/LABA群の年間増悪率は0.56-1.75回/年で、LABA単独群の年間増悪率は0.81-1.54回/年だった。FORWARD試験では、ICS治療を受けた患者で1秒量の変化は好酸球数と関連しておらず、Dransfieldらの研究では、高い好酸球数の場合に1秒量の治療利益が増加するという結果が得られた。FORWARD試験で好酸球数が67/μL以上の患者では、ICS/LABAはLABA単剤と比較するとSGRQ総スコアの大きな改善と関連していた。

結論:
 COPD患者において、末梢血好酸球数高値は、増悪抑制という観点ではICSの臨床的利益の向上と関連していた。さらなる前向き研究において、治療推奨バイオマーカーとしての末梢血好酸球の必要性を調べる必要があるだろう。





by otowelt | 2018-12-01 00:13 | 気管支喘息・COPD

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