本の紹介:The GENECIALIST Manifesto ジェネシャリスト宣言

 献本ありがとうございます。日本医学界新聞で毎回楽しみにしていた連載が、満を持して書籍化されました。加筆されており、より奥深い味わいに仕上がっています。若手医師にとっては、おそらく自分と向き合える一冊になるでしょう。おすすめです。

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発売日:2018年11月29日
単行本 : 228ページ
価格 : 2,000円 (税別)
出版社 : 中外医学社
著者: 岩田 健太郎 先生

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 私は大人数で議論するときに、「A or B」という二元論を前提に話が進んでいくのが好きではありません。さらに、ヘテロジーニアスに見るべきことがホモジーニアスに議論されていると、興ざめすらしてしまいます。こういう構造に対して、真正面から議論したり噛み砕いて執筆したりできる岩田先生のことを尊敬しています。

 この本の導入部と随所に、二元論について述べられています。とはいえ、私が書いたようにミクロな視点での二元論ではなく、もう少し広い意味での二元論について。臨床医学と基礎医学。男と女。大学病院と市中病院。家庭医と専門医。ジェネとシャリ。ジェネシャリスト論に入る前にも、そしてその議論の途中においても、二元論の脆弱な部分を指摘しておられます。
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 ジェネシャリストの三角形というのが登場するのですが、実はその何ページか前に「こういう三角形でね」という説明が登場しているので、自分なりにこうかな?と描いていました。オッ、まぁまぁいい線!

 本の最後のほうに書かれていますが、この三角形は人によって違いますし、またセッティング(状況)によっても異なります。また、成長とともにこの三角形は大きくなるかもしれないし、トレードオフのようにシュリンクするところもある。

 私はどちらかといえばシャリ寄りにいると自覚していますが、ジェネの未熟さがとても恋しくなるときがあり、総合診療の本を何週間も読みふけることがあります。それでどうにかして、シャリながらもジェネな部分を持とうと足掻いているのかもしれません。多くの若手医師は、その三角形をどうにかそれらしい形にしようともがいている。

 この本が面白いところは、とても自己回顧的であるところです。今までの医師人生に基づいて、今後の医師人生をどう考えるかという起爆剤になります。

 それにしても、いろいろなタイプの書籍を執筆できるし、絵も上手だし、ワインのエキスパートだし、いろいろな言語に精通しているし、ファイナンシャルプランナーだし、オシャレでカッコイイし・・・。岩田先生こそが、もはや医学の垣根を超えたジェネシャリストなんじゃないのかと思わずにいられません。




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by otowelt | 2018-12-08 00:38 | その他

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