クリスマスBMJ2018:12月の休暇期間に退院すると危険?

クリスマスBMJ2018:12月の休暇期間に退院すると危険?_e0156318_938222.png クリスマス前後は病院がお休みになることが多く、医療アクセスが悪くなります。日本の場合、年末年始に家で過ごしたい人が多いですが、正月明けに再入院というケースも少なくありません。

Lauren Lapointe-Shaw, et al.
Death and readmissions after hospital discharge during the December holiday period: cohort study
BMJ 2018; 363 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.k4481


目的:
 12月の休暇期間のあいだに退院した患者が、他の期間に退院した患者と比較して、少ない外来受診になるのか高い死亡・再入院になるのかを明らかにすること。

デザイン:
 集団ベース後ろ向きコホート研究。

セッティング:
 カナダオンタリオ州の急性ケア病院、2002年4月~2016年1月。

被験者:
 緊急入院後に、12月の休暇期間2週間のあいだに自宅退院となった217305人の小児と成人を、他のコントロール期間である11月下旬および1月に退院となった453641人を比較した。

主要アウトカム:
 プライマリアウトカムは、死亡あるいは再入院(30日以内の救急部受診あるいは緊急再入院)とした。セカンダリアウトカムは、退院後7日および14日以内の、死亡あるいは再入院、および外来受診とした。患者特性、入院、病院施設間の補正のために一般化推定方程式による多変量ロジスティック回帰を用いた。

結果:
 休暇期間に退院した217305人(32.4%)の患者、コントロール期間に退院した453641人(67.6%)が同様のベースライン特性と過去の医療機関利用歴を有していた。休暇期間に退院した患者は、退院後7日以内(36.3% vs 47.8%、補正オッズ比0.61、95%信頼区間0.60-0.62)および14日以内(59.5% vs 68.7%、補正オッズ比0.65、95%信頼区間0.64-0.66)に外来受診しにくかった。また、休暇期間に退院した患者は、30日死亡あるいは再入院のリスクが高かった(25.9% v 24.7%, 補正オッズ比1.09, 95%信頼区間1.07-1.10)。この相対的なリスク上昇は7日(13.2% v 11.7%, 補正オッズ比1.16, 95%信頼区間1.14-1.18)および14日(18.6% v 17.0%, 補正オッズ比1.14, 95%信頼区間1.12-1.15)でもみられた。
 サブグループ解析では、心不全で入院した患者は、休暇期間に退院した場合、7日以内(36.5% v 50.6%, 補正オッズ比0.55, 95%信頼区間0.51-0.58) および14日以内(60.7% v 72.2%, 補正オッズ比0.58, 95%信頼区間0.54-0.61)の外来受診を受けにくかった。30日死亡リスクも上昇した(31.9% v 30.9%, 補正オッズ比1.06, 95%信頼区間1.01-1.12)。COPD患者では退院後7日以内、14日以内の受診は少なかったが、死亡あるいは再入院に関しては有意なリスク上昇とはならなかった(ただし7日、14日の短期のリスクは上昇)。
 患者10万人あたり、退院後14日以内外来予約受診が2999人少なくなり、過剰死亡が26人に起こり、過剰再入院が188人に起こり、休暇期間退院に起因する救急過剰受診が483人に起こる。
クリスマスBMJ2018:12月の休暇期間に退院すると危険?_e0156318_23284292.jpg
(文献より引用:クリスマスを0としたときの前後の外来受診および死亡あるいは再入院)

結論:
 12月の休暇期間に病院を退院した患者は、外来の迅速なフォローアップを受けにくく、30日以内の死亡あるいは再入院のリスクが高い。





by otowelt | 2018-12-12 00:57 | その他

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31