
Robert W Yeh, et al.
Parachute use to prevent death and major trauma when jumping from aircraft: randomized controlled trial
BMJ 2018; 363 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.k5094
目的:
航空機からジャンプしたとき、パラシュートの装着が死亡や主要外傷を予防することができるか調べた。
デザイン:
ランダム化比較試験。
セッティング:
2017年9月から2018年8月までのプライベートあるいは民間航空機。
参加者:
18歳以上の92人の航空機乗客が参加スクリーニングを受けた。23人が同意し、ランダム化された。
介入:
航空機(飛行機あるいはヘリコプター)からジャンプし、パラシュートあるいは空っぽのバッグを背負ってもらう(非盲検)。
主要アウトカム:
着陸直後に地面に衝突したときに観察された、死亡あるいは主要外傷(外傷重症度スコア15点以上と定義)の複合アウトカム。
結果:
パラシュートは死亡あるいは主要外傷を減らさなかった(パラシュート群:0% vs コントロール群:0%; P>0.9)。複数のサブグループ解析でも同様の結果だった。スクリーニングされた個人で本研究に登録されていない人と比べると、参加者は低い位置からジャンプしており(登録者平均0.6m vs 非登録者平均9146m、P<0.001)、また飛行速度も低かった(登録者平均0 km/h v 非登録者平均800 km/h; P<0.001)。


結論:
この初めてのランダム化比較試験において、飛行機からジャンプする際、パラシュートは死亡あるいは主要外傷を減らさなかった。しかしながら、この研究では地上の小さな固定式航空機にしか被験者は参加しておらず、高度からのジャンプについては慎重に解釈する必要がある。