
Gloeckl R, et al.
Comparison of continuous flow versus demand oxygen delivery systems in patients with COPD: A systematic review and meta-analysis.
Respirology. 2018 Dec 17. doi: 10.1111/resp.13457.
背景:
デマンド酸素供給システム(DODS)は、連続酸素流量(CONT)の使用に比べて、液体酸素シリンダーの寿命を延ばすことができる。しかし、その有効性についてエビデンスは不足している。
方法:
この研究では、COPD患者において液体酸素ベースのCONTとDODSを比較した。1980年から2018年1月までの電子データベースを検索した。プライマリアウトカムは、安静時および労作時の酸素飽和度(SpO2)と運動パフォーマンスとした。リスクバイアスはCochraneツールを用いて評価した。データは、可能であればRevman 5.3の逆分散法を用いたメタアナリシスあるいは記述的統合によって解析された。
結果:
152人の中等症から重症COPD患者(1秒量範囲:27-42%予測値)を含む10のクロスオーバー研究が組み入れられた。割り当ての秘匿と盲検化に関連した潜在的なバイアスに関して、すべての研究で大きな不確実性があった。3研究(44人)のデータでは、DODSおよびCONTの間に安静時SpO2(差-0.2%、95%信頼区間-0.5%~0.1%)、労作時SpO2(差-0.3%、95%信頼区間-2.1%~1.5%)の観点では有意差はなかった。2試験(56人)の6分間歩行距離の平均差は5.7mだった(95%信頼区間-14.4~25.8m)。この知見はメタアナリシスと記述的統合で一致していた。
結論:
DODSあるいはCONTを比較した限られた研究によれば、COPDにおけるSpO2あるいは運動パフォーマンスは同等の影響だった。しかしながら、DODSデバイスは、個人差が大きくなる可能性のある様々な仕様を用いているため、DODSの使用を検討している人には、個別にSpO2をテストすることが推奨される。