
Newton CA, et al.
Telomere Length and Use of Immunosuppressive Medications in Idiopathic Pulmonary Fibrosis.
Am J Respir Crit Care Med. 2018 Dec 19. doi: 10.1164/rccm.201809-1646OC.
背景:
PAHTHER-IPF試験によれば、免疫抑制は特発性肺線維症(IPF)の副作用イベントと関連している。なぜ一部のIPF患者がこの有害性を経験するのかはよく分かっていない。
目的:
われわれは、白血球テロメア長(LTL)がIPF患者の免疫抑制による有害的影響に関連していると考えた。
方法:
LTLは、PANTHER-IPF試験から得られた利用可能なDNA検体(中間解析で70人、最終解析で118人)から測定された。複製コホートにはACE-IPF(101人)および独立観察コホート(UTSW-IPF:170人)が含まれた。LTLおよび薬剤によって層別化した複合無エンドポイント生存をみた生存解析が多変量Cox回帰モデルを用いておこなわれた。
結果:
PANTHER-IPF試験およびACE-IPF試験に登録された患者のうち、それぞれ62%(79人中49人)および56%(50人中28人)がLTL<正常の10パーセンタイルであった。PANTHER-IPF試験では、LTL<10パーセンタイルの患者では、プレドニゾン/アザチオプリン/N-アセチルシステインに曝露されることによる死亡・肺移植・入院・努力性肺活量の低下の複合エンドポイントの高さと関連していた(ハザード比2.84、95%信頼区間1.02-7.87、p=0.045)。この知見は、免疫抑制に曝露されたACE-IPF試験のプラセボ群でも再現された(ハザード比7.18、95%信頼区間1.52-33.84、p=0.013)。傾向スコアマッチされたUTSW IPFコホートでは、LTL<10パーセンタイルの患者において免疫抑制と複合エンドポイント(死亡・肺移植・努力性肺活量の減少)の間に同様の関連がみられた(ハザード比3.79, 95%信頼区間1.73-8.30, p=0.00085)。PANTHER-IPFおよびACE-IPF試験をあわせると、免疫抑制とLTLの間に交互作用がみられた(pinteraction=0.048)。これはUTSW IPFコホートでも同様だった(pinteraction=0.049)。
結論:
LTLは、免疫抑制に曝露されたときの不良アウトカムリスクにあるIPF患者を同定できるバイオマーカーかもしれない。