ALK陽性非小細胞肺癌の臨床経過

ALK陽性非小細胞肺癌の臨床経過_e0156318_10535567.png コロラドから、後ろ向きの検討結果が報告されました。

Pacheco JM, et al.
Natural history and factors associated with overall survival in stage IV ALK rearranged non-small-cell lung cancer.
J Thorac Oncol. 2018 Dec 29. pii: S1556-0864(18)33533-0.


背景:
 病期IVのALK陽性非小細胞肺癌(NSCLC)の自然経過と縦断的治療アウトカムを記述する臨床的因子、ならびに長期の全生存期間(OS)との関係については詳細に記述されていない。

方法:
 2009年から2017年11月までの間にコロラド大学がんセンターでALK阻害剤による治療を受けた病期IVの患者を後ろ向きに同定した。OS曲線は、Kaplan Meier法を用いて作成した。多変量Cox比例ハザード分析によってOSと各因子の関連を同定した。

結果:
 110人のALK陽性NSCLC患者が同定され、105人がクリゾチニブを初回ALK阻害剤として用いた。47ヶ月の追跡期間中央値で、病期IVの診断からのOS中央値は81ヶ月(6.8年)だった。病期IVの診断時の脳転移(ハザード比1.01、p=0.971)、病期IVの発症からの年数(p=0.887)はOSには悪影響を与えなかった。病期IVの診断時の複数臓器への転移はOS悪化と関連していた(ハザード比1.49, p=0.002)。ペメトレキセドベースの治療を用いることで、1か月ごとに死亡リスクの相対的な7%の減少が観察された。

結論:
 病期IVのALK陽性NSCLC患者はOSを延長することができる。病期IVの診断時の脳転移はOSには悪影響を与えなかった。病期IVの発症時の複数臓器への浸潤はアウトカム悪化と関連していた。ペメトレキセド延長の利益は、より良好な予後と関連していた。





by otowelt | 2019-01-16 00:15 | 肺癌・その他腫瘍

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
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