ORBIT-3, 4試験:慢性緑膿菌感染症を有する非嚢胞性線維症気管支拡張症に対する吸入シプロフロキサシン

ORBIT-3, 4試験:慢性緑膿菌感染症を有する非嚢胞性線維症気管支拡張症に対する吸入シプロフロキサシン_e0156318_10322082.jpg 6割以上が女性の気管支拡張症であり、患者背景の不均一性はさほど大きくないように思うのですが、良好な結果が出なかったくやしさが論文を読んでいて滲み出ています。

Charles S Haworth, et al.
Inhaled liposomal ciprofloxacin in patients with non-cystic fibrosis bronchiectasis and chronic lung infection with Pseudomonas aeruginosa (ORBIT-3 and ORBIT-4): two phase 3, randomised controlled trials
Lancet Respiratory Medicine, https://doi.org/10.1016/S2213-2600(18)30427-2


背景:
 非嚢胞性線維症気管支拡張症の患者において、緑膿菌の肺感染症は頻回の呼吸器系増悪と治療が必要な入院と関連しており、QOLを低下させ、死亡を増加させる。吸入抗菌薬は、頻回の増悪を起こす非嚢胞性線維症気管支拡張症の長期マネジメントとしてこれまで推奨されているが、承認された治療はない。われわれは、2つの第3相試験において吸入リポソームシプロフロキサシン(ARD-3150)の安全性と有効性を検証した。

方法:
 ORBIT-3試験およびORBIT-4試験は、国際ランダム化二重盲検プラセボ対照第3相試験で同じ地域でおこなわれている。適格患者は非嚢胞性線維症気管支拡張症の患者で、過去12ヶ月に少なくとも2回の抗菌薬治療を要する呼吸器系増悪を経験し、緑膿菌の肺感染症の既往があるものとした。患者はランダムに2;1にARD-3150あるいはプラセボに割り付けられた。ARD-3150(リポソーム封入シプロフロキサシン135mg/3mL+フリーシプロフロキサシン54mg/3mL)あるいは6mLプラセボ(空リポソーム希釈混合3mL+生理食塩水3mL)を1日1回、合計6コースの56日治療サイクル、計48週間続けた。
 プライマリエンドポイントはランダム化から48週における初回呼吸器系増悪までの期間とした。私たちは、少なくとも1回の投与量の治験薬を投与されたすべてのランダム化された患者を含む全解析集団について、プライマリおよびセカンダリ有効性、安全性、および微生物学解析を行った。

結果:
 2014年3月31日から2015年8月19日までの間、われわれはORBIT-3試験において514人の患者を、ORBIT-4試験で533人の患者を登録した。全解析集団は、ORBIT-3試験で278人(少なくとも1回のARD-3150を投与された183人およびプラセボを投与された95人)、ORBIT-4試験で304人(少なくとも1回のARD-3150を投与された206人およびプラセボを投与された98人)が含まれた。
 ORBIT-4試験において、初回呼吸器系増悪までの期間の中央値はARD-3150群で230日、プラセボ群で158日であり、統計学的に有意な72日の差が観察された(ハザード比0.72、95%信頼区間0.53-0.97、p=0.032)。ORBIT-3試験において、初回呼吸器系増悪までの期間の中央値はARD-3150群で214日、プラセボ群で136日であったが、差の78日は統計学的に有意な差ではなかった(ハザード比0.99、95%信頼区間0.71-1.38、p=0.97)。
 ORBIT-3試験およびORBIT-4試験のデータをプール解析すると、初回呼吸器系増悪までの期間の中央値はARD-3150群で222日、プラセボ群で157日であったが、差の65日は統計学的に有意な差ではなかった(ハザード比0.82、95%信頼区間0.65-1.02、p=0.074)。副作用イベントの数および重篤な副作用イベントはORBIT-3試験およびORBIT-4試験における両群で同等だった。
ORBIT-3, 4試験:慢性緑膿菌感染症を有する非嚢胞性線維症気管支拡張症に対する吸入シプロフロキサシン_e0156318_7575210.png
(文献より引用)

結論:
 非嚢胞性線維症気管支拡張症で過去1年に抗菌薬を要する慢性緑膿菌肺感染症を有する患者に対するARD-3150は、ORBIT-4試験ではプラセボと比較して初回呼吸器系増悪までの期間中央値を有意に延長させたが、ORBIT-3試験あるいはプール解析では有意ではなかった。試験間の不一致性は、非嚢胞性線維症気管支拡張症の不均一性および吸入抗菌薬の適切なアウトカム尺度を考慮したうえでさらなる研究が必要であることを支持するものである。

資金提供:
 Aradigm Corporation



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by otowelt | 2019-02-05 00:29 | 感染症全般

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