さらば、難しいPubMedよ! その3

4.便利な検索タグだけ理解しておく
 検索式は、前回書いたように検索画面の右下に表示されているものを使えばよいのですが、自分で式をタイプしなければならないこともあります。その中で、知っておくと便利なタグを紹介しましょう。

■[jo]
 ジェイオーです。これはジャーナルの名前のことです。たとえば、「N Engl J Med[jo]」と検索欄に打ち込むと、かの有名なNew England Journal of Medicineのみが検索できるのです。ただ、このタグには注意が必要でして、たとえば「Lancet[jo]」と入力すると、Lancetシリーズのすべての論文が検索されてしまうのです。オリジナルのLancetのみを検索したい場合は「"Lancet"[jo] 」と入力してください。” ”で囲うことで、ジャーナルの名前はここからここまでと決めることができるのです。

■[title]
 これ、結構重宝します。たとえば、気胸の論文って、文献のタイトルに必ず「pneumothorax」が入っているもんです。気胸の診断や治療について述べた論文のクセして、タイトルに「pneumothorax」が入っていないワケがない。そのため、「pneumothorax[title]」と検索すると、「文献タイトルにpneumothoraxが含まれているすべての文献」を検索できるのです。検索疾患が決まっているときは、このタグはかなりオススメです。肺癌の論文もタイトルに必ず「lung cancer」が入っているので、[title]タグはかなり有効です。

■AND
 検索欄でスペースにすると、勝手にANDになります。たとえば「COPD asthma」と両方のワードを入れると、PubMedが勝手に「COPD AND asthma」に切り替えてくれます。これは、COPDとasthmaの両方の情報を含む文献を探す、という意味です。検索式を勉強する際、同列に「OR」「NOT」も出てきますが、基本的に「AND」だけでよいと思います。だって、2つのキーワードの両情報を含んだ文献を探していることが多いでしょう?どちらか一方だけ含む論文を探すすことなんてそうそうありません。

■AND hasabstract
 私はどのような検索においても、最後にこの「hasabstract」を入れます。これは、アブストラクトがある文献、すなわち原著論文やレビューなどある程度以上の論文を絞り込めるわけです。症例報告がほとんど除外されるため、ルーチンでこのタグを入れておいてもよいと思います

※ただし、前回書いたように、CHEST誌は症例報告にアブストラクトをつけてくるようになりました。

■[pt]
 このタグは、論文をゲリラ的に探すのに役立ちます。文献の種類を特定するためのタグです。たとえばランダム化比較試験を検索したいときは「Randomized Controlled Trial[pt]」、メタアナリシスを検索したいときは「Meta-analysis[pt]」と入力すればよいです。

 これらのタグは基本的にPubMed検索画面の左のほうにチェックボックスがあるので、それを使ってもよいです。ただ、いちいちこれを広げてチェックしながら検索するのが面倒なので、私はめぼしい検索式はすべてMy NCBIに登録しています。
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5.簡単な検索式を作ってみよう
 簡単なタグを使って、気胸の論文を探せるかどうか、試してみましょう。上述したように、気胸の論文はタイトルに必ず「pneumothorax」が入っています。そのため、「pneumothorax[title]」はまず決定です。そして、症例報告や画像レポートなど雑多な文献を除外するため、「AND hasabstract」を入れて、質を上げましょう。
 ではこの「pneumothorax[title] AND hasabstract」をPubMedで検索してみましょう。エイッ。どうでしょう、4200件くらいヒットしました。ザっと見た感じ、1ヶ月に15~20くらいの気胸に関する論文がアップデートされているようです。私はこのくらいなら、定期的スクリーニングの検索式として有効だと思います。
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 イヤイヤ、ランダム化比較試験しかスクリーニングしないぞ!というのであれば、検索結果を見てみましょう。全体で67件のヒット、年に1回更新されるかされないかの頻度になってしまいましたね。
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 質の高い文献のみをスクリーニングの条件に入れてもよいのですが、気胸やその他稀な呼吸器疾患は文献の質にこだわりすぎると論文の取りこぼしが多くなるので、実は[title]タグとhasabstractだけで結構絞れるのです。

 あなたも一度自分だけの検索式を作ってみてはいかがでしょうか。それを「Create alert」からどんどんMy NCBIの検索式倉庫に収納していってください。自分の好きな論文が自動通知される仕組みさえ作れば、あなたももう論文スクリーニングマスターです!

 次回は、抄読会などでゲリラ的に論文を探さないといけない場合にPubMedをどう使うか、紹介しましょう。










by otowelt | 2019-02-12 00:10 | レクチャー

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