LAMAを使用する高齢COPDに大建中湯を

e0156318_1633480.jpg 大建中湯はTRPAチャネルを活性化する作用があるため、これが影響しているのならば非常に興味深いです。

Jo T, et al.
Reduction in exacerbation of COPD in patients of advanced age using the Japanese Kampo medicine Dai-kenchu-to: a retrospective cohort study
IJCOPD, December 2018 Volume 2019:14 Pages 129—139


目的:
 有症状のCOPD患者には長時間作用性抗コリン薬(LAMA)を含む吸入気管支拡張薬を用いることが推奨されている。しかしながら、特に高齢者では気管支拡張薬は抗コリン作用による消化器系の副作用を起こすことがある。大建中湯(TU-100)は、もっともよく処方されている日本の漢方薬であり、腹部膨満や便秘ノコントロールのためしばしば処方されている。この研究の目的は、高齢COPD患者における支持治療としての大建中湯の役割を評価することである。

患者および方法:
 日本のDPC入院データベースを用いて、COPD増悪で入院した75歳以上の患者を同定した。そしてわれわれは、1:4傾向スコアマッチを用いて大建中湯の有無によるCOPD増悪の再入院あるいは死亡リスクを比較した。2群を比較するためCox比例ハザードモデルが用いられた。われわれはLAMA治療の有無によるサブグループ解析をおこなった。

結果:
 477人の大建中湯群患者、1980人のコントロール群患者が解析対象となった。80%以上が男性であり、大建中湯群の18.7%、コントロール群の17.3%が在宅酸素療法中だった。LAMAを使用していたのは、それぞれ39.0%、37.9%だった。大建中湯で治療された患者は、1:4傾向スコアマッチを用いると有意に退院後の再入院あるいは死亡のリスクが低かった(ハザード比0.82、95%信頼区間0.67-0.99)。サブグループ解析では、LAMA使用者は再入院あるいは死亡に有意な差をもたらしたが、LAMA非使用者では有意差はなかった。
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(文献より引用:75歳以上のLAMA使用者)

結論:
 大建中湯は高齢COPD患者のLAMA忍容性を改善させるかもしれず、それゆえCOPD増悪による再入院や死亡のリスクを減らしうる。大建中湯は高齢COPD患者の有用な支持治療として推奨されるかもしれない。



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by otowelt | 2019-03-01 00:50 | 気管支喘息・COPD

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