LTBIに対するリファペンチン+イソニアジドの3ヶ月レジメン

LTBIに対するリファペンチン+イソニアジドの3ヶ月レジメン_e0156318_1302985.jpg HIV感染・非感染がややヘテロな解析ですが、3HPが標準になるとよいですね。ちなみにリファペンチンは日本では使えません。

Hamada Y, et al.
Three-month weekly rifapentine plus isoniazid for tuberculosis preventive treatment: a systematic review
Int J Tuberc Lung Dis. 2018 Dec 1;22(12):1422-1428.


背景:
 結核(TB)の予防的治療を適用しても依然として不十分な状況である。リファンペンチン(RPT)とイソニアジド(INH)の3ヶ月レジメン(3HP)はその規模を容易に拡大できるかもしれない。われわれは、6ヶ月あるいは9ヶ月のINH単独治療と比較した3HPの効果をアセスメントするため、システマティックレビューをおこなった。

方法:
 われわれは、ランダム化比較試験を同定するため、PubMed、Embase、the Web of Science、Cochrane Central Register of Controlled Trialsデータベースを検索した。可能であればランダム効果モデルを用いてデータをプールした。

結果:
 4研究が組み込まれた。そのうち、2研究はHIV共感染における6ヶ月あるいは9ヶ月のINH(6/9H)と3HPを比較したものであり、1研究はHIV陰性成人におけるもの、1研究はHIV陰性優位の小児・思春期患者におけるものである。
 活動性TBのリスクは3HPと6/9Hの間に有意差はなかった(HIV感染成人患者:リスク比0.73、95%信頼区間0.23-2.29、HIV非感染成人患者:リスク比0.44、95%信頼区間0.18-1.07、小児・思春期患者:リスク比0.13、95%信頼区間0.01-2.54)。肝障害のリスクは成人HIV感染患者(相対リスク0.26、95%信頼区間0.12-0.55)、成人HIV非感染患者(相対リスク0.16、95%信頼区間0.10-0.27)のいずれににおいて有意に3HP群のほうが低かった。3HPはすべてのサブグループにおいて高い治療完遂率達成と関連していた。
LTBIに対するリファペンチン+イソニアジドの3ヶ月レジメン_e0156318_15332835.png
(文献より引用)

結論:
 HPはINH単独治療と同等の予防効果を示し、有害事象が低く、完遂率が高かった。3HPは予防治療において規模拡大に大きく寄与しうる。





by otowelt | 2019-02-13 00:15 | 抗酸菌感染症

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31