
De Giacomi F, et al.
Evolution of diagnostic UIP computed tomography patterns in idiopathic pulmonary fibrosis: Disease spectrum and implications for survival.
Respir Med. 2018 Sep;142:53-59.
背景:
特発性肺線維症(IPF)における現在の診断的胸部CTパターンが異なる臨床的表現型を表すのか、あるいはただ同じ放射線学的過程の一時的進展を表しているのかは不明である。われわれは、胸部CTで"possible"あるいは"inconsistent" UIPパターンを示すIPF患者を調べ、その頻度、"consistent" UIPパターンにいたる時期、および生存に対する影響を調べた。
方法:
われわれの施設でIPF連続患者を2005年1月1日から2013年12月31日まで登録した。経時的な胸部CT所見は2人の専門放射線科医によって評価された。ベースラインおよびその後の臨床データを照合した。
結果:
91人の患者(平均年齢67.4歳、59%が男性)が登録され、"possible" UIPパターンが58人(64%)、"inconsistent" UIPパターンが33人(36%)だった。29人 (32%) が中央値57ヶ月(IQR 33-78ヶ月)で"consistent" UIPパターンに変化した。パターンの進展にかかわらず、肺機能の低下は追跡検査において統計学的に有意だったが、程度に関しては差はなかった。"consistent" UIPパターンへの進展は、IPF診断日あるいは"consistent" UIPパターンと胸部CTで判定された日からの生存悪化には影響しなかった。

結論:
初期に"possible"あるいは"inconsistent" UIPパターンと診断された一部のIPF患者は、"consistent" UIPパターンにヶ月~年単位で進展する。それでも、パターンの進展にかかわらず、死亡リスクと死亡原因は同様だった。これは、IPFの放射線学的スペクトラムのなかでは、同程度の死亡が起こることを支持するものである。
補足:
possible UIPパターンについては、ほぼほぼIPFと考えてよいという意見が台頭しています。Kimらのメタアナリシスが参考になります(Kim H, et al. Sci Rep. 2018 Oct 26;8(1):15886. doi: 10.1038/s41598-018-34230-z.)。
